2005年2月1日より、神奈川県の地方紙「神奈川新聞」がブログ化されました。もちろん、本紙は日刊で各家庭に有料で配布されています。そのインターネットサイトがブロクベースのページに改編されました。
 「カナロコ」と名付けられた同紙のサイトは、無料会員制コミュニティーサイトとしてスタートしました。カナロコとは、神奈川の「カナ」と、ハワイ語で「現地人」を意味する「ロコ」を組み合わせた造語だそうです。「神奈川県民や神奈川を愛する人々が集い、情報収集や発信、交流をしてもらえる場を提供したい─。そんな思いから誕生したサイトです」とその目的が記されています。さて、このカナロコに登録すると、1)一ヶ月分の神奈川新聞の記事の閲覧や検索ができる、2)コメントやトラックバック、読者が記事を書くなどのサービスが受けられる、などの特典が付いています。
 この神奈川新聞の決断は、旧来の新聞業界に少なからず影響を与えると思います。
 例えば、カナロコは「リンクフリー」を堂々と謳っています。当然トラックバックもOKです。いわゆる大手新聞社がリンクをトップページに限定したり、事前承認を求めている姿勢とは大きくとなります。
神奈川新聞
カナロコはリンクフリーです。ただし、次の3点だけは守ってください。
(1)フレームでの表示をしない(転送アドレスも含む)
(2)カナロコへのリンクである旨を明記する
(3)公序良俗に反しない

 また、4月からは記事に直接読者のコメントを付けることもできるようになります。リアルタイムに近いタイミングで記事が発信され、その対応がすぐにフィートバックされる。そこには、新次元のマスコミと読者(個人)との関係性が構築されると期待します。
 ただ気になるところもあります。こうした情報サイトは採算面でどのようにペイされていくのかということです。特に、神奈川新聞のような地方メディアの場合、その経営はかなり大変であると察しられます。私もそうですが、複数の新聞(いわゆる三大紙と地方紙)を購読していますが、地方紙がインターネットで閲覧できるとなると、有料による購読を中止してしまうかもしれないと思います。情報の密度を濃くして、有料化という選択も今後あるのではないかと考えます。また、日刊紙に日替わりのアクセスコードを埋め込み、日刊紙購読者が自由にアクセスできるという仕組みでも良いと思います。
 そうした資金面での基盤を充実させた上で、閲覧できる記事の期間を数年間に延長する、訃報データなども掲載するといった情報の充実も図っていただきたいと期待します。
神奈川新聞「カナロコ」へのリンク