井手よしひろ県議が、昨年9月(2004年9月)の県議会一般質問で提案した「工業団地のブロードバンド化」に関する施策が、平成17年度予算で実現しました。
 この新規事業は、ブロードバンド化の要望の強い工業団地を対象に、市町村と協力して、民間通信事業者による光ファイバ等の整備に助成するものです。既存立地企業の情報通信環境の改善と新規企業の誘致を図ることが目的です。
 通信事業者が、いばらきブロードバンドネットワーク(IBBN)の市町村支線やアクセスポイントと工業団地間での光ファイバ等の整備を行い、工業団地立地企業等へ高速・低廉なブロードバンドを提供する場合に、その費用に対し、県が整備費用の1/4、市町村が1/4を助成します。
 平成17年度、総事業費として750万円が認められました。
立地企業情報通信基盤整備事業の内容
●総事業費:750万円
●補助対象:県内市町村(5団体)
●補助対象経費:IBBNへの接続に要する光ファイバの敷設工事費、メディアコンバータやラック等の共同設備の設置、その他付帯工費等の初期費用
●補助率:1/4(上限150万円)(県1/4+市町村1/4、通信事業者1/2)
●条件:IBBN市町村支線、IBBNのアクセスポイントを活用すること。

茨城県議会本会議一般質問議事録(2004/9/13)
●井手よしひろ県議の一般質問
 さて,本来,民間事業者が行うべき情報通信基盤の整備に対して,県や市町村がIBBNのような事業を行う理由を再確認してみたいと思います。1つは格差の是正であり,2つには産業の振興,地域の活性化ということが挙げられます。その意味では,県内の工業団地の情報通信基盤整備に対して,県は市町村と連携をして精力的に取り組むべきだと考えます。一般的に工業団地は市街地からある程度距離が離れており,利用者が集積していることもありませんので,県内の大部分の工業団地でブロードバンド化がおくれております。県北の工業団地では,いまだにISDNのサービスしか提供されていない地域も存在をしております。県内工業団地のブロードバンド化を図るために,IBBNの利用をどのように促進するのか,商工労働部長に御説明をお伺いいたします。

茨城県議会本会議一般質問議事録(2004/9/13)
◯矢口商工労働部長の答弁
 工業団地の情報通信基盤充実についてお答えいたします。
 県内工業団地につきましては,122団地のうち約3分の2が光ファイバーを使ったサービスや電話回線を使ったADSLサービスといったブロードバンドサービスを比較的容易に利用できる地域に位置しております。しかし,残る約3分の1の工業団地では,電話局から遠距離にあるためADSLが利用できないことや光ファイバーが敷設されていないことから,ブロードバンドサービスの利用が困難となっております。高速大容量の情報通信基盤は企業の競争力強化のための重要なインフラであり,県では,IBBNを活用することで企業のブロードバンド化を促進しております。
 具体的には,県が昨年4月に開設したITサポートセンターにおいて,延べ約570社を訪問し,IBBN接続のための技術的方法やコストなどについて利用プランを提示するとともに,通信事業者と企業との間に立った調整などを行ってきたところでございます。
 その結果,これまで30社についてIBBNの利用を承認し,このうち,工業団地立地企業では8社が利用しております。これに加えて,現在,工業団地に立地する22社とIBBNの具体的利用方法などを協議しているところでございます。
 今後,工業団地のブロードバンド化を一層進める上では,IBBNのアクセスポイントから遠距離にある企業は接続コストが割高になるということが問題であると認識しております。その解決には,83市町村に設置されておりますIBBN接続点を利用する方法が考えられます。これは,接続点を民間へ開放することについて市町村の理解と協力を得ること,企業が接続するために必要な設備を新たに整備すること,無線システムや光ファイバーにより接続点と企業をつなぐ経路を確保することにより可能になるものでございます。
 実際に,現在ある市町村では,地元企業からの要望を受け,県が働きかけを行い,接続点を開放することと無線システムにより工業団地と接続することなどについて検討を進めております。
 県といたしましては,このようなIBBN接続点の活用を促進するため,今後は市町村への働きかけ,市町村と通信事業者の間の調整に努めますとともに,必要となる設備の整備に関する支援策などについて具体的に検討してまいりたいと考えております。