重病・重症患者の搬送にヘリコプターを積極的に活用するため、県は「県防災ヘリコプター救急システム要領」を見直します。県は現在、防災ヘリコプター「つくば」を使って、つくば市内の県営へリポートを基地に救急患者の搬送を行っていました。しかし、救急病院などのヘリポート整備が進んでおらず、また、原則は病院間の転院患者の搬送が主な任務であったために、8年間の実績もわずか35件に止まっていました。
 そこで、2月23日から新たな出動基準を適用することになりました。「救急ヘリ」の出動要請は、119番通報を受けた各消防本部が判断し、国立水戸病院(水戸市)や土浦協同病院(土浦市)など、高度な医療を行う県内4か所の第三次救命救急センターへ直接搬送できるようにしました。新基準では、消防本部が出動を要請する目安に、「自動車の横転」「三階以上からの転落」などの受傷原因や、「呼吸停止」「体の三分の一を超えるやけど」などの状態が明示されました。
 一方、三次救急を担う4病院ではヘリポートを整備します。筑波メディカルセンター病院は、今年5月までに完成する予定です。茨城西南医療センター病院が境町総合運動場を活用するなど、完成までは各病院とも最寄りの敷地を利用することにします。
 県防災航空隊では、搬送時間を短縮することで、命を救うだけでなく、退院後の生活の質の向上も期待できるとしています。
●千葉県とドクターヘリ共同利用試行
 さらに、千葉県と共同でドクターヘリの利用試行事業を行うことになりました。
 これは、千葉県にある日本医科大学付属千葉北総病院に配備されたドクターヘリを活用して、鹿島地方広域市町村圏事務組合、鹿島南部地区消防事務組合、稲敷地方広域市町村圏事務組合の3消防本部管内の重篤な救急患者をヘリポートが整備された県内の三次救急病院に搬送する試みです。
(参考)日本医科大学付属千葉北総病院のドクターへリ事業のHP
(参考)日本航空医療学会
県防災ヘリの前で、井手よしひろ県議と県防災航空隊岸田俊之室長 2月24日、井手県議は、防災ヘリコプターの基地であるつくばへリポートを訪れ、県防災航空隊岸田俊之室長、柳林悟隊長から防災航空隊任務の実情を詳しくヒアリングし、防災ヘリ「つくば」の救急搬送仕様を実際に確認しました。つくばメディカル病院に整備中の屋上へリポート
 更に、建設が進むつくばメディカル病院を視察し、災害対応拠点病院整備状況を調査しました。
(写真左:防災ヘリの前で、井手よしひろ県議と県防災航空隊岸田俊之室長、右は建設中のつくばメディカルセンター病院ヘリポート)