大宮派と城北派のポスターが貼られたコンビニ  一連の市町村合併議論の中で、県内初の住民投票が、御前山村で明日(2月29日)に投票されます。
 御前山村はすでに、大宮町など四町村との合併協議がまとまり、10月16日に「常陸大宮市」の発足が決まっています。しかし、一部住民がこの動きにストップを掛けた格好になりました。投票の結果次第では合併先が変わる可能性もあり、大きな話題を呼びそうです。
(写真は大宮合併派と城北合併派のポスターが並んで貼られたコンビニ)
 住民投票は、大宮、山方、美和、緒川四町村との「大宮地域」と、常北、桂、七会の三町村との「城北地域」の二つから、どちらの地域と合併したいかを選択します。
 投票資格は満18歳以上で、投票率60%未満の場合は開票しないことになっています。
 現在、御前山村は、大宮地域の法定合併協議会に参加しています。2002年9月に実施した村民アンケートで、回答者の半数以上が大宮地域との合併を支持しました。
 一方、村の方針に反発した住民らは「より良い合併を目指す御前山村民の会」を結成。昨年8月には市町村合併特例法に基づく住民発議で、城北地域三町村との合併協議会設置を請求しました。三町村長に請求を拒否されると、年末に有権者の約28%の1302分の署名を集め、地方自治法に基づく住民投票の実施を村長へ請求。1月23日の臨時議会で賛成7、反対5で可決されました。
 住民投票の結果に法的拘束力はありません。しかし、圧倒的多数が城北地域との合併を支持した場合は、村は方針転換を迫られる可能性もあります。この場合は、常陸大宮合併の枠組みは根底から崩れ、10月26日新市発足という仕組むも崩れるおそれがあります。
 また、城北地域の三町村も、平成17年2月1日に対等合併(新設合併)し、城里(しろさと)町になることが昨日の合併協議会で決定しています。御前山村を受け入れて四町村合併に切り替え、合併特例法の期限内に合併を成立させることは不可能に近い状況です。
 井手よしひろ県議は、投票を明日に控えた御前山村内を訪れ、両勢力の選挙体制を視察しました。公職選挙法の規定は適用されないために、目抜き通りの家々には、「大宮合併」「城北合併」のポスターが軒並みに掲示されています。役場では、期日前投票に訪れた人々の車が駐車場に目立ちました。
 住民の様々な利害が絡み合った今回の住民投票。明日の結果が大いに注目されます。