核燃が、旧動燃当時の資料を公開
asahi.com 2005年03月31日11時58分
 核燃料サイクル開発機構は3月30日、前身組織の動力炉・核燃料開発事業団が、高レベル放射性廃棄物の処分予定地を選ぶため、83年度から87年度までに行った地層などの調査資料を公開した。茨城県東海村のインフォメーションルームなど計5カ所で閲覧・コピーできる。
 調査は、花崗岩(かこうがん)や変成岩など6種類の岩盤の特性を15道県内で調べたものと、人工衛星画像や航空写真などから28道府県で断層分布などを調べたもの、地質環境に関する文献調査などの3種類。民間の調査会社に委託した。このうちの一部は、昨年12月に情報開示を命じた名古屋地裁判決を受け、岐阜県の市民団体に開示されている。
 井手よしひろ県議が、3月31日、県原子力安全対策課に確認したところ、高レベル放射性廃棄物の処分候補地調査対象の内、6箇所が茨城県内の存在していたことが判明しました。県内6箇所は、「北関東地域における広域調査対象地域選定のための航空写真およびランドサット画像判読・解析」調査報告の中で、福島県内の4箇所が具体的に記載され、宮城、福島、栃木、茨城の16箇所が、巻末資料として表と図のみ添付されています。(報告書本文には関連の記載はありませんでした)
1.大子町北部付近
2.大子町稲荷山付近
3.里美村福島県との県境付近
4.十王町西端部(旧十王町と日立市にまたがる地域)
5.真壁町北東方燕山(岩瀬町、山都町、真壁町、八郷町にかかる区域)
6.真壁町東方足尾山(真壁町、八郷町にかかる区域)
 1983年から87年にかけて、旧動燃から委託を受けた調査会社が、人工衛星や航空写真などによる地形調査を実施し、地層、あるいは岩体のひろがりが直径3km以上、厚さ600m以上で、活断層が少ないなど処分地に良好な条件がある地域を、63所を「精密調査に進むべき地区」として動燃に推薦したものです。
 旧動燃は、1987年に最終処分地の選定業務をしないことになり、精密調査に進むことなく一連の調査を集結させました。
参考:地層処分にかかわる調査報告書の公開について(核燃料サイクル開発機構のHPより)