厚生労働省は、年金基金(147兆円)のむだ遣いとの批判が強まっている厚生年金会館など全国265カ所の年金福祉施設について、6年以内にすべてを廃止または売却する方針を固めました。自民党年金制度調査会の幹部会が24日、売却を進める清算事業団を独立行政法人として1年後に設置し、その後5年間で全施設を売り払う方針を決定。厚労省もこの方針を受け入れました。今後1年間かけて、社会保険庁が施設ごとの処分方法を具体的に決める予定です。
国民年金健康保養センターときわ路  全国の厚生年金会館や厚生年金病院、体育施設を備えた宿泊施設「サンピア」など265の年金福祉施設には、これまで約1兆5000億円の年金保険料が充てられています。民間の会計基準に従い、減価償却費などを計算すると97%の施設が赤字となります。
 自民党の作業部会は、福祉施設の売却収入を年金財政に繰り入れるほか、廃止施設の解体費用も他の施設の売却費でまかなう方針です。売却先は自治体が中心となる見通しです。また、施設の運営を委託している厚生年金事業振興団など5つの公益法人も原則廃止します。
 年金資金を活用した福祉施設では、厚労省の特殊法人、年金資金運用基金が管理、運営している大規模年金保養基地(グリーンピア)は、既に2005年度までの廃止が決まっています。
 井手よしひろ県議の調査によると茨城県内で、売却や廃止の対象となる年金福祉施設は、以下の4施設です。(数値は14年度決算)
施設名収 入支 出利 益減価償却差引
サンピア日立
(厚生年金)
5億3000万円5億1000万円1900万円5400万円▲3500万円
ときわ路
(国民年金)
1億5000万円1億6200万円1200万円2000万円▲3200万円
レイクサイドくきざき
(国民年金)
2億1800万円2億1800万円5万円4600万円▲4600万円
社会保険センター1億6200万円1億6180万円200万円800万円▲800万円

全国265カ所の年金福祉施設の内訳
施設分類 カ所 収入 支出 利益 減価償却 差引
厚生年金病院 10カ所 696億円 684億円 12億円 244億円 ▲232億円
看護婦養成所 2カ所 59億円 59億円     0億円
厚生年金会館 21カ所 198億円 198億円 0億円 25億円 ▲25億円
老人ホーム(ハートピア) 35カ所 60億円 60億円 0億円 11億円 ▲11億円
厚生年金スポーツセンター 4カ所 23億円 21億円 2億円 4億円 ▲2億円
厚生年金休暇センター 17カ所 113億円 113億円   27億円 ▲27億円
厚生年金健康福祉センター・サンピア 25カ所 141億円 139億円 2億円 26億円 ▲24億円
厚生年金保養ホーム 4カ所 6億円 6億円   3億円 ▲3億円
終身老人ホーム・サンテール 1カ所 3億円 3億円   1億円 ▲1億円
国民年金健康保養センター 47カ所 94億円 94億円   10億円 ▲10億円
国民年金会館(エミナース) 2カ所 22億円 22億円   3億円 ▲3億円
国民年金健康センター 8カ所 18億円 18億円   3億円 ▲3億円
国民年金総合健康センター(エミナース) 2カ所 10億円 10億円   3億円 ▲3億円
社会保険センター 48カ所 88億円 87億円   5億円 ▲5億円
社会保険健康センター 44カ所 58億円 55億円 2億円 6億円 ▲4億円
合 計 270カ所 1,541億円 1,520億円 18億円 371億円 ▲353億円