産経Web茨城版(2004/3/6)
「税金のばらまきが政治家の腹巻きに」発言に県議会紛糾
議長が発言記録調べ対応へ

 税金のバラマキが政治家のハラマキに・・・。3月5日の県議会本会議で一般質問に立った川口浩氏(民主清新クラブ)の発言に不穏当な部分があったとして、潮田龍雄議長は発言記録を調べた上で対応をとることを決めた。
 発言は県も支出する群馬県の八つ場(やんば)ダム関連の質問の際にあった。「ダムの時代は終わった」などと訴えた川口県議は「公共事業という美名の下に税金を投下する無駄な工事」と県の支出を批判。
 さらに「これを強行しようとすると税金のばらまきが政治家の腹巻きに入ると疑われる」「上から読んでもダムは無駄。下から読んでもダムは無駄」などと続けた。
 川口県議の発言を受け議場はどよめき、議長席にいた桜井富夫副議長が閉会直前、「不穏当と思われるところがありましたので、後刻、記録を調査して措置を講じます」と述べた。
 今後、潮田議長が川口県議の発言を調べ、必要があると判断すれば議会運営委員会に諮って措置を決める。
 議会での議員の発言は、その正確さと品性が求められます。講演会や街頭演説と同じ話しが、議会で通用するとは思いません。
 その意味で、川口議員の質問は、許される限度を超えた感があります。
 自民党、民主党、公明党といった会派制をとっている県議会では、通常、一般質問は会派の中で事前に検討されるものです。特に、川口議員は、一期生議員。登壇も、まだ2回目です。当然、民主清新クラブという中で、その内容が吟味されているのが、議員の一般的な常識です。川口議員の質問を、会派としてどのように評価するかも重要な問題になります。
 更に、川口議員は、明快に八つ場ダムの建設予算の負担に反対を表明しました。会派としては、採決態度はまだ検討していないとのことです。所属する議員の意見が、会派の中で統一できていないということでは、何のための会派なのかということになってしまいます。
 二重の意味で、川口議員の質問は、県議会にとっての会派とは何なのかを県民に問いかけているような気がします。