「役員報酬、月594円に」トレンドマイクロCEOトレンドマイクロ社は、二重の人為的ミスによって、企業のコンピューターに深刻なシステム障害を引き起こしました。同社の発表によると、4月26日現在で、652社が「ウイルスバスター」が原因でシステム障害などの影響を受け、内6社が復旧していないといいます。
朝日新聞(asahi.com:2005年04月26日22時05分)
コンピューターのウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」がパソコンに障害を引き起こした問題で、発売元のトレンドマイクロは26日、同日正午段階で被害を確認できた国内の企業や官庁は652法人で、このうち6法人が復旧していないと発表した。エバ・チェン社長兼最高経営責任者(CEO)は記者会見で「今回の問題を肝に銘じるため、最後の1台が正常に戻るまで自分の役員報酬を月額594円にする」と謝罪した。「594」は障害を引き起こしたファイルの番号。
顧客が被った損害などに対する賠償は「考えていない」(マヘンドラ・ネギ最高財務責任者)という。
個人のパソコンの影響を考えると、史上最大のパソコンソフトによる事故といっても過言ではないでしょう。
エバ・チェンCEOは、役員報酬を594円に減額して、謝罪の姿勢を示すとしましたが、損害賠償については、同席したマヘンドラ・ネギ最高財務責任者(CFO)が「現時点では補償はしない」と否定しました。
損害を受けた企業や個人にとって、CEOの報酬がいくら減額されようと、全く意味がありません。記者会見で、賠償を否定しようとも、訴訟は提起されると思われます。「ウイルスバスター」の利用条件と今回の事故への賠償問題は、法的にどのような問題をはらんでいるのでしょうか。専門家の意見が公開されることを期待します。
それにしても、594円への減俸というのは、被害者の感情を逆なでするような決定だと思うのですが。日本人の感覚と中国人の感覚の差でしょうか。