2019年09月

JCO臨界事故から20年、「その教訓は東海第2原発を再稼働させぬコト」

JCO臨界事故(井手よしひろ撮影)
 9月30日、東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で発生した臨界事故から20年を迎えました。現場作業員2人の命を奪い、住民ら660人以上が被ばくした、わが国の原子力開発史上唯一人命が失われた最悪の事故です。多くの住民らは目に見えない原子力災害の恐怖に襲われました。
 あれから20年がたち、事故は風化していないか。あらためて「原子力事故は起き得る」との教訓を再確認したいと思います。
 事故が発生したのは、1999年9月30日午前10時35分。JCO転換試験棟でウラン溶液の混合作業中に、正規の手順にはない沈殿槽に規定の7倍を超える溶液を投入したため、核分裂反応が連続する「臨界」状態となり、中性子線が放出されました。作業をしていた3人の作業員が大量の放射線を浴び、このうち、最大20シーベルトの被ばくをした作業員は12月に亡くなり、最大10シーベルトの被ばくをしたもう1人の作業員は翌年の4月に亡くなりました。
 この事故で、現場から半径350メートル圏内の住民に避難要請が行われました。国際原子力事象評価尺度による評価レベルは4です( 福島第1原発事故はレベル7です)。
 県は半径10キロ圏内の住民に屋内退避勧告を出し、約31万人が家の中で事故の終息を待つ事態となりました。周辺の学校や工場、コンビニなどが一斉に臨時休業となり、JR常磐線など交通機関もストップするなど、現場周辺の異様な雰囲気が思い出されます。
 私は当日昼過ぎ、地元の東海村公明党議員からの一報で、現場に向かいました。まだ、臨界事故という情報も何も伝えられておらず、JCOの国道6号側は、警察の規制線が張られていましたが、裏側の村道には自由に侵入できました。臨界が起きた現場からは数百メートルしか離れていません。後から常用を聞かされ、悪寒が走りました。
 夕刻には、被曝が懸念される地域住民が、集められ線量検査が行われていた地域コミュニティセンターを視察して回りました。
 その日の夜には、公明党の国会議員も次々に訪れ、翌10月1日には、原子力関係者からの直接の聴き取りや当時の村上村長かとの意見交換を精力的に行いました。
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天皇皇后両陛下/日立市を訪問、茨城国体の卓球競技を観戦


 9月29日、茨城国体の総合開会式出席のため茨城県を訪れている天皇皇后両陛下は、日立市で卓球競技を観戦された後、国民宿舎「鵜の岬」でウミウの捕獲場などを視察されました。
 両陛下は1泊2日の全日程を終え、29日午後、特別列車で帰京されました。
 両陛下は午前中、日立市池の川さくらアリーナで、成年男子と成年女子の卓球の試合を観戦。客席で関係者の説明に時折うなずきながら、目前で繰り広げられる茨城県対和歌山県の成年男子の試合を熱心に見守られました。
 観戦後は市民や関係者ら約20人と交流。天皇陛下は茨城国体のマスコットキャラクター「いばラッキー」の考案者、三浦直子さんにデザインの意図を尋ね、皇后さまは「元気が出るデザインですね」と声をかけられました。
 午後は国民宿舎「鵜の岬」を訪問し、岸壁の上に設置された「鳥屋」と呼ばれるウミウの捕獲場の小屋を見学されました。ウミウの捕獲技術保持者、大高敦弘さんらから捕獲方法の説明を受け、天皇陛下は「技術を習得するにも時間がかかるでしょう」とお声を掛けられました。
 その後、森林総合研究所林木育種センターを訪問し、スギ優良品種などを視察しました。

「いきいき茨城ゆめ国体」がにぎやかに開幕<動画>


 9月28日、第74回国民体育大会「茨城国体」が開幕しました。
 総合開会式には47都道府県の選手団4240人、観客1万546人、出演者ら1万1372人の計2万6158人が参加しました。
 午前11時、オープニングプログラムで開会式がスタート。「いきいき茨城漫遊記」をテーマに、歌や踊りが次々と披露されました。
 式典前演技では、天皇、皇后両陛下が見守る中、総勢1800人が演技や踊りを通じて茨城県の魅力をアピールしました。
 式典は大洗高マーチングバンド部の先導で、各都道府県の選手団が北海道から順に入場行進。最後に茨城県選手団605人がクレー射撃の中山由起枝を旗手に入場すると、ひときわ大きな歓声が沸き起こりました。
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茨城国体「いきいき茨城ゆめ国体」が盛大に開会

第74回国民体育大会「茨城国体」総合開会式
 9月28日、令和となって初めての第74回国民体育大会「茨城国体」が、天皇皇后両陛下のご臨席の下、茨城県立笠松運動公園陸上競技場で開会式が行われました。

 開会式に先立って、全国から訪れた人を歓迎するための「式典前演技」が行われ、地元から参加したおよそ1800人の出演者が、ダンスなどのさまざまな演技を披露しました。
 茨城県のさまざまな魅力を伝える「式典前演技」は、水戸市出身で俳優の渡辺裕之さんがストーリーテラーとして、歴史や文化、豊かな自然、最先端の技術などを紹介していきました。
 それに合わせて地元から参加したおよそ1800人の出演者が、ダンスやマーチングバンドなどの演奏で全国から訪れた人たちへの歓迎の思いなどを表現しました。
 最後に、県内で盛んな宇宙産業を象徴するような、大きな箱の中からロケットが登場して宇宙へと飛び立つ演出が披露されると、会場からは大きな歓声が上がっていました。
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足尾銅山/旧松木村を歩く

松木村看板
 映画「ある町の高い煙突」の制作や上映活動に携わり、日本の四大銅山と言われる足尾、小坂、別子に興味を持ちました。環境破壊と住民はどのように対峙したか、企業はどのように責任を果たしたか、日立銅山の歴史を検証するためにも、どうしても確認しておきたかったからです。
 8月末に訪れた足尾鉱山。その際、天候や日程の都合で行くことができなかった松木地区を、9月27日再度訪れました。
 日本最大の砂防ダムと言われる足尾ダムから、2キロ程度川に沿って歩くと、120年程前まで松木村という集落があった場所にたどり着きました。

 松木村は、600年もの歴史があり、大麦、小麦、大豆、小豆をはじめ野菜も採れ、村民は何不自由なく暮らしていました。江戸時代後期の記録では、37戸170人もの村人が支え合って生活をしていたとされています。足尾地区でも最も大きな集落でした。小麦、豆をはじめとする肥沃な共同の畑があり、養蚕が盛んで、奥深い森の中にある恵まれた土地であったそうです。
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大井川県政2年目、1期目折り返しの日にあたって

大井川知事の初登庁(2017年9月26日)
 9月26日、今日、茨城県の大井川和彦知事は就任から2年目を迎えました。1期4年目の折り返し点です。
 「チェンジ、チャレンジ」を掲げて、6期24年続いた前橋本県政を転換し、従来なかった政策を矢継ぎ早に打ち出しています。就任後の成果と課題を地元紙茨城新聞の記事をなぞる形で、検証してみたいと思います。
 
大井川流の県政運営の特徴は「課題・問題の見える化」
 大井川知事が県政の「一丁目一番地」と位置付けたのは医師の確保策。昨年9月、「最優先で医師確保に取り組む医療機関」として、日立製作所日立総合病院(日立市)など5病院を具体的上げ、医師計15人の確保が必要と明確に表明しました。
 茨城県では2002年から人口10万人あたりの医師数が全国ワースト2位を記録しており、慢性的な医療人材不足が続いています。さらに地域偏在で、県民が医療を平等に受けられない医療格差も生じています。二次医療圏別でみると、つくばが人口10万人あたり約410人でもっとも多いのに対し、水戸では約238人、常盤太田・ひたちなかでは約108人、鹿行では約95人と大きな格差が生じています。ちなみに、全国平均は約251人です。
 このため、大井川知事は、県として早急に取り組みを開始することができる第一弾として、政策医療を担う県内の公的医療機関から「最優先で医師確保に取り組む医療機関・診療科」を選定。2018年9月に5つの医療機関と診療科を発表。第二弾を2019年1月に公表しました。具体的には、日立製作所日立総合病院(日立市)の産婦人科4人、常陸大宮済生会病院(常陸大宮市)の内科3人、神栖済生会病院(神栖市)の整形外科3人、土浦協同病院(土浦市)の産婦人科3人、JAとりで総合医療センター(取手市)の小児科2人。第2弾で日立製作所日立総合病院(日立市)の小児科2人となっています。
 病院や地元自治体の了解を得ていないとして、職員側は病院名の公表に難色を示したといわれています。しかし、大井川知事は押し切り、「課題の見える化」を図りました。その結果、この1年の短期間で日製病院への産婦人科医4名など医師7人を確保。目に見える成果を出しています。
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千葉県内の大規模停電、楽観的な見通しが混乱招いた

千葉県内の被害状況を調査する赤羽嘉一国交大臣
 9月9日未明に上陸した台風15号により千葉県で大規模な停電が発生してから、きょうで10日目となります。依然として約4万戸で停電が続いています。
 電気が使えるようになっても家屋の損壊などで不自由な暮らしを余儀なくされている住民が大勢います。農林水産業をはじめ産業への影響も甚大です。17日午前10時時点で被害総額は267億3500万円に上っています。
 今回の台風被害では、大規模な停電が発生した原因や、その後の対応が問題視されています。しっかりと検証し、今後に生かす必要があります。
 復旧に関する情報を二転三転させた東京電力の責任は非常に重いものがあります。東電は10日夜の段階で11日に全面復旧させるとしていました。ところが、復旧見込みは次第に先延ばしされ、15日には地域によって27日までかかると発表しました。
 住民は今、どれほど過酷な生活を強いられているか。その不安や憤りを思えば、楽観的な見通しが混乱を招いたと厳しく断じざるを得ません。
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台風15号による茨城の農業被害34億円超/県議会公明党が鉾田市を調査

台風15によるパイプハウスの被害
 6月17日、茨城県議会公明党(代表:高崎進県議)は、台風15号の影響で深刻な農業被害を受けた鉾田市を訪れ、被害状況を調査しました。
 メロンやイチゴ、水菜などハウス栽培が盛んな鉾田市では、台風15号の暴風によってビニールハウスが相次ぎ崩れ、収穫前のメロンなどの作物や施設が大きな被害に遭いました。一行は、鉾田市徳宿でメロンとイチゴを栽培する高橋悟さんのビニールハウスを視察。高橋さんは、全体の約7割が倒壊し、育てていたイチゴの苗床が壊滅的なダメージを受けたことを説明しました。
 視察後、高崎県議は「被害の全容をしっかりと調査して一日も早い回復に努めたい」と語りました。
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停電被災地支援/千葉県多古町の避難所に循環型シャワーを設置

循環型シャワー装置
 一般社団法人協働プラットフォーム(代表理事長坂俊成)とWOTA株式会社(代表取締役北川力)、そして茨城県境町(橋本正裕町長)の新たな災害被災地支援プロジェクトに、一般社団法人地方創生戦略研究所(代表理事井手よしひろ)として参加しました。
 9月16日、 台風15号で被災し停電と断水が続いている千葉県多古町の町立中村小学校に循環式シャワーを提供しました。
 循環式シャワーはWOTAが開発したものです。WOTA BOX for Shelterを2セット、プロパンガス式可搬給湯器2セット、発電機を千葉県多古町に無償提供し、停電し断水している被災者に、シャワーを利用していただくプロジェクトです。
 WOTA BOXは最先端のAI水処理技術によって、一度使った水のなんと98%以上が再利用できます。シャワーを浴びると1人あたり40〜50Lの水を使いますが、WOTA BOXは100Lの水で100人以上の方にシャワーを届けることができます。
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映画「ある町の高い煙突」の海外上映を目指して、国際交流基金を訪問

ジャパニーズフィルムフェスティバルのHP
 9月11日、映画「ある町の高い煙突」を、海外、特に中国や東南アジア、インドなどで上映したいとの思いで、東京四谷の国際交流基金を訪問し、映像事業部の担当者から様々アドバイスをいただきました。
 東南アジアでは、邦画の公開本数が増えています。人口減で先細りの日本と異なり、市場は拡大。親日的な土地柄で、日本文化への関心は高く、日本映画界は活路を求めて市場開拓に取り組んでいます。日本政府も、ジャパンブランドの宣揚を図るために強力に支援しています。
 シンガポールでは6月以降だけでも、アニメ「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」、人気漫画の実写映画「キングダム」など多数の日本のヒット作が相次いで公開され、大好評を受けています。両作品とも、声優や主演俳優らが現地でのプレス向けイベントに参加するほどの力の入れようです。業界関係者からは「映画人口の先細りが懸念される日本に比べ、人口増加で今後の市場、拡大が期待されている東南アジアに注目している」との声が聞かれています。
 また東南アジア各国で、日本アニメの実写化や共同制作に向けた議論が活発に行われているといいます。
 半面、韓国、中国などの作品に比べると、東南アジアで公開される日本映画の本数は、圧倒的に少ないの現実です。
 日本政府も邦画の東南アジア展開をバックアップしています。国際交流基金は2014年、東南アジア諸国連合(ASEAN)との相互理解促進を目的に、文化や日本語などの分野で2020年までの活動資金200億円を確保しました。この一環として、邦画に親しんでもらうおうと、東南アジア各国で日本映画祭「ジャパニーズーフィルム・フェスティバル」を開催しています。
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八島いさお議員が代表質問/SOGIハラスメント対策と選択的夫婦別氏制度について質す


 2019年9月5日、茨城県議会代表質問が行われ、公明党を代表して八島功男議員が登壇しました。八島県議は、持続可能な開発目標SDGsの目指す「誰一人取り残さない」社会を目指し、性的マイノリティーの人権尊重や男女共同参画社会の進展を目指して、SOGIハラスメント対策と選択的夫婦別氏制度について、大井川知事の考え方を質しました。
 
 「SOGI」とは、多様な性のあり方を表す言葉で、好きになる人の性別(Sexual Orientation)と自分の性別の認識(Gender Identity)の英語の頭文字をとった言葉です。
 「LGBT」が性的マイノリティの総称であるのに対し、SOGIは性的指向や性自認という、『誰もが持っている特性』を表す言葉になります。
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八島いさお議員が代表質問/2025年、2035年問題について


 9月5日、茨城県議会代表質問が行われ、公明党を代表して八島功男議員が登壇。2025年問題、2035年問題について、大井川和彦知事に質問しました。
 2025年問題とは、「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になり、3人に1人が65歳以上となる世界でも類を見ない超高齢社会です。2035年を展望すると、茨城県は、人口の2・8人に1人が65歳以上、4・6人に一人が75歳以上、高齢者と生産年齢人口の比率は1対1・5にあります。出産や子育ての中心となる20歳から39歳の女性の人口は21万人と総人口の8・4%に留まり、2015年比28・4%もの減少と予測されます。
 大井川知事の登場は、本県における人口減少への強い危機感や、「これからの10年が極めで重要」との訴えが、県民の「変革して欲しい」との民意の現れであったことは間違いありません。
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東京ガスが、茨城県内でのLNG発電計画を断念

神戸製鋼真岡発電所の完成予想図
 電力の小売りに参入し、自前の発電所を増強している「東京ガス」は、茨城県内の2か所で計画していたLNGの火力発電所について、建設を断念すると明らかにしました。
 断念する理由について、送電線の整備に多額の費用がかかり、事業の採算がとれない見通しになったためと説明しています。
 その一方で、千葉県袖ケ浦市で計画しているLNGの火力発電所については、九州電力と共同で新会社を設立しました。発電能力は最大200万キロワットで、2020年代後半の稼働を目指すとしています。
 東京ガスは、家庭向け電力の小売り自由化で、およそ200万件の契約を獲得しいわゆる「新電力」としては大手となっていて、2020年代に自前の発電能力を500万キロワットにまで拡大する方針でした。
 茨城県内の2つの発電所を断念したことで、達成は難しい情勢になりましたが、東京ガスでは電力の卸売市場などでの調達にも力を入れて供給力を確保していくことにしています。
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液体ミルクの備蓄促進を、導入コストの課題乗り越え

液体ミルク
 常温で保存でき、お湯で溶かす必要がない乳児用液体ミルクを、災害時の備蓄物資に採用する動きが広がりを見せています。公明党の強力な推進で、政府は昨年(2018年)8月、北欧などで普及が進む液体ミルクの国内での製造・販売を解禁。国内メーカーが相次ぎ市場に参入しており、公明党の地方議員が各議会で訴えていることもあり、一括購入する自治体は増えてきました。
 「日本では使用例がなく衛生管理が難しい」。昨年9月の北海道胆振東部地震で、北海道は液体ミルクの配布に慎重を期すよう求める通知を出しました。東京都から支援物資として被災5町に送られたが、日高町の担当者は「使用例がないと書かれていたら、住民に提供しようとは思わない」と不測のリスクを考慮したことを明かしています。
 結局、5町に配布された1050本は、1本を除きすべて、使われないまま廃棄されました。
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年金財政検証、一段の制度強化で安心の底上げを

財政検証1
 さまざまな経済状況を想定し、将来受け取ることができる公的年金の水準を試算する財政検証の結果を、厚生労働省が8月27日公表しました。
参考:将来の公的年金の財政見通し(財政検証):http://bit.ly/2lShmna
 5年に1度の財政検証は年金の「定期健康診断」とも言われています。今回の結果は、当面は健康上の大きな問題がないものの、体力強化も促していると言えます。
 まず確認されたのは、2004年の制度改正で築いた、向こう100年を見据え年金を安定的に運用する枠組みは揺らいでいないという点です。
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自己紹介
井手よしひろのプロフィール

井手よしひろです。
茨城県の県政情報、
地元のローカルな話題を
発信しています。
6期24年にわたり
茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
http://y-ide.com
master@y-ide.com
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