
国内の新型コロナウイルス感染者が急速に減少し、現在も低い水準で推移しています。
次の感染拡大のナギのような状況なのか、それともウィズコロナの社会への助走なのか、重要な時期にさしかかっています。
大阪大学大学院医学系研究科の忽那賢志教授は、新規感染者が急減した要因を、日本人の行動変容とワクチンの接種効果と分析し、次のように語っています。
「感染者減少は、複数の要因が考えられるが、人々の行動変容とワクチン接種の急速な進展が一種の“相乗効果”を生んだのではないか。7月下旬の4連休以降、実効再生産数(感染者1人が平均して他人にうつす人数)は減少に転じた。飲食店や映画館といった商業施設に行く人が減ったと指摘されており、感染者が増えているとの報道などで行動変容が起きたといえよう。同時に、ワクチン接種が短期間のうちに進んだことが大きい。これにより、感染が広がりにくい状況になり、減少するスピードを加速させたと考えられる。感染を“火”、人を“木”に例えると、ワクチンを打った人は雨水をかぶった木のような状態だ。1本の木に火が付いても、燃えにくい木が増えたため、広まらずに収まる環境がつくられた」
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