2024年11月

男女の賃金格差、茨城県は全国ワースト2

イメージ
 2024年9月、政府は初めて都道府県別の男女賃金格差を公表しました。
 女性の賃金が男性の賃金を上回っている都道府県はありません。男性の賃金を100としたときに女性のそれは8割未満程度にとどまっています。男女で非正規雇用比率が異なるためではないかと、その理由は説明されています。
 OECD38カ国の男女の賃金格差平均は、9割程度であることを踏まえれば、明らかに日本における男女間の賃金格差は顕著です。
 令和5年度の調査結果で都道府県別にみると、高知、岩手、長崎、秋田、奈良が「格差の小さな都道府県」の上位5県で8割前後。逆に「格差の大きな都道府県」として栃木、茨城、長野、東京、愛知が7割程度となっています。茨城県はワースト2位の72.1%です。
 茨城県の大井川知事は、11月15日、県内4つの経済団体に対して、男女の賃金格差を是正する要請を行いました。茨城県は、女性の勤続年数が男性より短いことや、女性の管理職割合が低いことなどが、賃金格差に影響していると分析しています。
 このため、管理職の女性登用を促すため経営者の意識醸成を図ることや、結婚や出産などを経た後でも女性が働き続けられる環境を整備するよう求めました。
続きを読む

年収103万円の壁を178万円に引き上げると、茨城県で1220億円の減収

茨城県で1220億円の税収減
 11月22日、年収が103万円を超えると所得税が生じるいわゆる「103万円の壁」をめぐり、茨城県の大井川知事は、所得税の控除額を178万円まで引き上げた場合、県内全体で1200億円余りの減収になるという見通しを明らかにしました。
 この中で大井川知事は自民・公明両党と国民民主党が税負担に関する「年収103万円の壁」を見直すことで合意したことをめぐり、所得税の控除額が178万円まで引き上げられた場合の減収額の見通しを明らかにしました。
 それによると、茨城県でおよそ520億円、県内の市町村で700億円と全体で合わせておよそ1220億円の減収が見込まれるということです。
 大井川知事は「このうち県民税は3分の1くらいの減収規模になるので、行政サービスへの影響はあまりに大きすぎて試算できない。地方の減収に直結する見直しは適切ではなく、財源問題についてきちんと対応するのが政府の役割ではないか」と述べました。
続きを読む

茨城県は12月2日より、緊急性が認められない救急搬送を有料に!

241115hitachi
日製病院の選定療養費は7700円(緊急性のない救急搬送時)
 12月2日より、茨城県は緊急性が認められない救急車要請について、県内の大規模病院の多くで、患者に費用負担を求めることになり、このほど、判断の目安となるガイドラインが公表されました。「軽い切り傷、擦り傷」は明らかに緊急性がないとし、「緊急性が低い」症状10例も挙げていまする。ただ、患者が判断に迷うケースも多いとみられ、県は24時間対応の救急電話相談の利用をすすめています。
 救急車の適正な利用を促す目的で、12月2日午前8時半以降の救急搬送が対象として、搬送先病院の医師が「緊急性がない」と判断した場合、患者から「選定療養費」を徴収します。ガイドラインは病院間で判断に大きな差が生じないよう、医師が緊急性を評価する際の目安として作成されました。
 選定療養費は一部の大規模病院への患者集中を防ぐ目的で、2016年に国が定めました。一般病床数200床以上の病院を紹介状なしで受診する場合に患者に負担を求めています。ほとんどの病院では救急搬送は対象外としてきました。今年6月に三重県松阪市の病院で救急搬送で導入され、都道府県単位では茨城県が初めての導入となります。
続きを読む

茨城県青年の船、20年目の大同窓会に出席

「茨城県青年の船」の同窓会
 11月16日、「茨城県青年の船」の同窓会に参加しました。
 2004年(平成16年)、茨城県青年の船が中国上海に向けて出航してから、満20年。当時の団長や役員の方々が呼びかけ人となり、再会を果たしました。
 2004年11月16日、私は指導員兼講師として、400名の青年とともに「茨城県青年の船」に乗り込みました。「青年の船」事業は、地域青年リーダー養成を目的に、昭和55年から3年に1度、チャーター船を利用して中国に青年を派遣した事業です。9回目の2004年が最後の派遣となりました。
「茨城県青年の船」の同窓会
続きを読む

ひたちなか海浜鉄道延伸、国が工事認可2030年開業目指す!

ひたちなか海浜鉄道阿字ヶ浦駅(2021年撮影)
 茨城県ひたちなか市の第三セクター、ひたちなか海浜鉄道の国営ひたち海浜公園方面への延伸について、事業の前提となる国の工事認可が下りました。ひたちなか市の第三セクター、ひたちなか海浜鉄道は、年間200万人が訪れる国営ひたち海浜公園方面への3.1キロの区間で延伸工事を2段階に分けて行う計画です。
 このうち、今の終点の阿字ヶ浦駅から公園の南口付近までの1.4キロの先行開業区間について、国土交通省が工事の認可をしました。
 これによって、用地の取得や工事を進める環境が整ったことになります。

新たに導入されたキハ100
 この区間の事業費は59億円余りで、海浜鉄道が18億円、茨城県とひたちなか市が41億円余りを負担することにしていて、国の補助金も活用して延伸事業を進める方針です。
 厳しい経営環境が続く地方鉄道の延伸は極めて珍しく、海浜鉄道などは早ければ2030年の開業を目指しています。
 また、総事業費67億円と計画されている、公園の西口付近までの第2期の延伸については工事を申請するか、2030年3月末までに判断することにしています。続きを読む

世界最大級の巨大サメの歯の化石:2006年五浦海岸で発見、茨城県自然博物館に展示


 11月9日、NPO法人いばらきTU・NA・GUジオ主催の講演会「天心が愛した五浦の自然」が、天心記念五浦美術館講堂で開催されました。
 講師は茨城大学名誉教授の安藤寿男先生。NHKのブラタモリにも、解説者として出演した経歴があります。
 北茨城市五浦海岸には奇岩奇礁が広がり、近代日本美術の発展に多大な功績を残した岡倉天心の旧宅や庭園があることから、国の登録記念物(名勝地・遺跡関係)に指定されています。安藤先生の講演では、この五浦海岸から発見された古代の巨大ザメの歯の解説も詳しく語られました。
続きを読む

講演会「天心が愛した五浦の自然」/安藤寿男茨城大学名誉教授が語る/五浦海岸にはかつて莫大な量の大油田・ガス田が存在した!


 11月9日、NPO法人いばらきTU・NA・GUジオ主催の講演会「天心が愛した五浦の自然」が、天心記念五浦美術館講堂で開催されました。
 講師は茨城大学名誉教授の安藤寿男先生。NHKのブラタモリにも、解説者として出演した経歴があります。

 北茨城市五浦海岸には奇岩奇礁が広がり、近代日本美術の発展に多大な功績を残した岡倉天心の旧宅や庭園があることから、国の登録記念物(名勝地・遺跡関係)に指定されています。五浦海岸周辺の奇岩奇礁は、世界最大級の“炭酸塩コンクリーション”からなる硬い塊状や層状の堆積岩からできています。
 炭酸塩コンクリーションは化石や砂粒などを核として、その周りに珪酸や炭酸塩などの成分が高濃度で集まり、砂などと一緒に固まったものです。名前のように、まさにコンクリートのように硬く、別名ノジュールとも呼ばれます。五浦海岸にその炭酸塩コンクリーションが形成されだしたのは約1650万年前と計算されています。ユーラシア大陸から日本列島が分離して日本海が拡大していた時代に対応し、日本海の拡大と日本列島の移動を伴う地殻変動によって海底下深部の油ガス田に亀裂が生じ湧出した天然ガスによって出来上がりました。
続きを読む

つくば市長退職金1278万円に、五十嵐市長が導入した退職金市民評価制度の結果発表

五十嵐立青つくば市長
 つくば市の五十嵐立青市長が導入した行政運営を市民が評価して、退職金額を算出する新制度の結果、2期目の評点は100点満点で62点と評価され、退職金額が1278万円と決まりました。11月12日の記者会見で五十嵐市長は「市民が政治家を評価する機会を選挙以外でも作ることができ、新しいチャレンジとして目指していたことはできた」と述べました。
 投票にはマイナンバーカードを持っている必要があり、専用のアプリをダウンロードしなくてはならないなど評価制度への敷居は高く、参加者は1048人と少数にとどまりました。
 つくば市では市民に行政運営を評価してもらったり、政策決定の参考にしたりするため、個別の政策ごとでも今回のような手法で市民の意思を確認していくことにしています。
続きを読む

2024衆院選:103万円の壁の引き上げは高所得者ほど恩恵

年収による減税効果
 国民民主党の103万円の壁を178万円に引き上げる政策は、103万円の壁前後で働くパートやアルバイト労働者のための政策と、一般的には受け取られています。
 しかし、これは大きな間違いです。
 いまの税制では、年収が103万円を超えた場合、所得税などがかかります。手取りの賃金から基礎控除48万円と給与所得控除55万円(合計103万円)を差し引いた金額に、所得税率(5%からの累進税率)を掛け所得税は計算されます。そのマイナスされる控除額を178万円に大幅に引き上げるということです。
 所得の多い人も減税の効果に浴するということです。実は、103万の壁を178万円まで引き上げると、「税金がかかる」部分が減るため、ほとんどの人の手取りが増える“大減税”政策なのです。
 たとえば、年収300万円の独身の場合、年間およそ11万3000円の減税。夫婦片働きで年収700万円の場合、年間15万6000円ほど税金が減る計算です。年収800万円の人は22万8000円の減税となり、年収が高い人ほど恩恵が大きいのです。
続きを読む

2024衆院選:給与所得「年収の壁」の6つの壁

給与所得「年収の壁」の6つの壁
 2024年総選挙の結果、大きくクローズアップされた『103万円の壁』問題。国民民主党の大躍進のキーワードとして注目され、政府与党も103万円の壁是正に向けて、大きく舵を取ろうとしています。
 政府は、社会保障の壁である106万円と130万円の壁に対して、2023年10月から「年収の壁・支援パッケージ」という政策がスタートをスタートさせています。
 ここで、もう一度「年収の壁」の6つの壁を整理して、今なぜ国民民主党は『103万円の壁』に壁を強調するのか考えてみたいと思います。

 本来、年収が増えれば税金や社会保険料の負担も増えます。しかし、国は所得の低い方への富の再配分機能として、一定以下の所得に対して、税金や社会保険料を徴収しない制度を作っています。この仕組みを「控除」といいます。
 所得が増えることによって、この控除する金額(控除限度額)を超えると、税や社会保険料の負担が生じることにより、手取り額が減少します。この年収のボーダーラインを「壁」と表現しています。換言すれば、年収の壁を超えなければ、税金や社会保険料の負担が低く(またはゼロに)なります。

 年収の壁には、「税制上の壁」と「社会保険上の壁」の2種類があります。
 「税制上」の年収の壁:税制上の年収の壁には、100万円・103万円・150万円・201万円の4つがあります。これらの年収を超えると、税金の負担が増えることになり手取り額が減少します。年収の壁にかかわる税金としては、主に所得税と住民税です。
 「社会保険上」の年収の壁:社会保険上の年収の壁には、106万円と130万円の2つがあります。これらの年収を超えると社会保険料の負担が増え、手取り額が減少します。
続きを読む

2024衆院選:国民民主党は年収の壁103万円を178万円に引き上げ主張

 2024衆院選で、国民民主党が強く主張した年収103万円の壁問題。
 年収の壁問題に対して公明党も政府も、「年収の壁・支援パッケージ」を推進することでその是正を図ってきました。
 国民が訴える政策と政府が進める政策の違いは何なのか、少数与党に陥落した自公は、国民との政策のすりあわせてどのような政策を提案するのか、注目していきたいと思います。
 まずその前段として、オタク会計士ch【山田真哉】さんの分析を紹介します。
 控除限度を引き上げることで、社会保険(年金)への加入率を上げることが出来るという主張には納得します。

続きを読む

日立市と十王町の合併から20年

日立市十王町合併協議会
 2004年(平成16年)11月1日、日立市と十王町が合併し、新たな日立市が誕生しました。
 平成の大合併の一環として行われた日立市と十王町との合併。当時現職の県議会議員として、十王町の皆さんと膝詰めで様々な議論をしたことが、昨日のように思い出されます。
 合併を巡っては合併特例債を活用した社会資本(幹線道路など)整備、地域住民の利便性の拡大(市外電話を0294に統一、県北生涯学習センターを旧十王庁舎に誘致)、十王の歴史と伝統の継承(JR川尻駅を十王駅に名称変更)など、様々な取り組みを行いました。
 特に、道路整備は進みました。国道461花貫踏切の立体化、十王北通り線の整備、県道日立いわき線バイパスの整備など、十王地域の道路整備は飛躍的に進捗しました。
続きを読む

2024衆院選:国民民主党躍進のポイントを考察

国民民主党HPより
国民民主党の躍進の要因を、以下の4つのポイントにまとめてみました。

1.「対決よりも解決」を掲げる国民民主党のスタンスが若者層に受けている
 経済成長期やバブル期には理想主義・原理主義の政党が若者に人気が出たかもしれませんが、日本の現実は、多くの課題が表面化しており、若い世代は特に身近な問題を感じています。学費の負担=奨学金の返済、長時間労働の割に給料は上がらない労働環境、子育て環境の大変さ、いじめや自殺、将来の社会保障(特に年金)などなど、多くの課題に具体的な答えを出してくれる政党を求めています。非常に現実主義な傾向が強い世代です。その彼らに「対決よりも解決」との言葉は刺さっています。
 今回の衆院選では、「手取りを増やす」というのはまさに、現役世代をメインターゲットとした政策です。前回2021年の衆院選は「給料を上げる政治」が合い言葉でした。労働者(特に大企業)の給与が上昇し、最低賃金が1000円台を突破した今年、「給料は上がったけれど、手取りの給料は上がっていない」との現役世代の実感に、ダイレクトに答えたキャッチフレーズを掲げました。
若い世代が重視する政策は「教育・子育て政策」、「景気・雇用」、「外交・安全保障」が高くなっています。
 高齢者の福祉や医療などに目配りする自公政権の主張と一線を画し、5兆円の教育国債の発行によって高校までの授業料・給食費・修学旅行費の無償化など子育て世代を狙い撃ちした政策は正鵠を射ていると思います。
続きを読む
自己紹介
井手よしひろのプロフィール

井手よしひろです。
茨城県の県政情報、
地元のローカルな話題を
発信しています。
6期24年にわたり
茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
http://y-ide.com
master@y-ide.com
ブログ内記事検索
茨城県のニュース
公明新聞ニュース
カテゴリ別目次
月別記事一覧
最新コメント
お断り
このホームページ(Blog)へのリンクは自由に行ってください。
文章の引用等も自由です。
ただし、リンクや引用等によって生じた不利益に対して、管理者はその責任を負いかねますので、ご容赦ください。
スマホ・携帯QRコード
QRコード
総訪問者数

現在の閲覧者数: