3月31日で廃線となった日立電鉄線の車両部品や鉄道用品などの版売が4月30日、旧久慈浜駅構内で開催されました。
 午前10時の販売開始には、約150人が長い列をつくり、終日、約350人の鉄道ファンでにぎわいました。
 久しぶりに開放された久慈浜駅のホームには、4両の電車が止められ、その中で、つり革(1000円)、駅員の帽子(3000円)や制服(500円)、レール止めのクギ(100円)など75種類が並べられ、即売されました。サヨナラ電車のヘッドマーク、運転室のブレーキレバー、運転士の懐中時計などの人気用品は、1万から1万5000円の最低入札価格で、オークションが実施されました。一番人気のヘッドマークは最高5万6千円の値がつきました。この日一日で、総計270万円の売り上げがあり、職員を驚かせました。
 日立電鉄は既に4月中旬から、ホームページで常陸電鉄線の車両や電気設備などの引き取り手を募っています。日立電鉄は、鉄道事業の再開を否定しており、設備の売却について、半年ぐらいで一定のめどを付けたいとしています。
 ただ、事業整理が着々と進むことに、一部で反発も出ています。一部団体は、日立電鉄線の復活を前提に、設備や施設の早期廃止に異論を唱えています。沿線の高校の生徒会は日立電鉄に対し、販売会の開催を抗議しました。しかし、こうした動きは、地元住民運動の大きな広がりとはなっていません。高校生徒会の抗議についても、生徒会活動の一線を越えているのではないか、との批判の声が出ています。
 廃線が決まった以上、踏切の撤去や道路、信号の整備は速やかに進められるべきです。未だに、廃線となった踏切で一次停車する車両が多く、交通渋滞の要因となっています。
 一部の人が、日立電鉄という私企業の経営に対して、必要以上の干渉を行い、住民感覚と違った方向性の運動を行うことには多少の疑問を感じています。