ボンベルタ伊勢甚日立店が5月20日に閉店したことに伴い、株式会社ボンベルタ伊勢甚は清算されることになりました。従業員はイオングループ各社に転籍し、新たなスタートを切ることになります。(6月21日付で61名が株式会社イオンに転籍する予定です)しかし、イオングループへの転籍は広域の転勤も伴うため、退職する従業員も少なくありません。
 こうした大きな岐路に立つ従業員が加入していた労働組合が「伊勢甚労働組合」です。伊勢甚労組は、昭和47年に商業労連傘下の組合として誕生しました。以来33年間、労働組合運動の組織化が、遅れた茨城県内の小売業にあって、常にリーダー的な存在であり続けました。
 5月24日、伊勢甚労組は臨時中央大会を日立市内のサンガーデン日立で開催し、組合の解散を決定しました。大会終了後、同ホテルで、解散記念式典(友情の集い)を催しました。
 席上、武田宏司中央執行委員長は、「感謝そして祈り」と題されたアピールの中で「今、多くの方が将来の働き方の選択で迷われています。ご家庭の環境、年齢、収入、職種など理由は様々です。今こそ、「夢」や「希望」「未来」に対してどう行動するかであり、迷ってばかりいても何も変わらないことをどうかもう一度自覚していただきたい。さらに大切なことは「生きる勇気」とか「決断する勇気」、そして次に「努力すること」なのではないかと考えます」と切々と訴えました。
 来賓として出席した井手よしひろ県議は、「伊勢甚に育てられて、現在の自分があると実感しています。伊勢甚の暖簾は降ろされましたが、心の中の伊勢甚魂はいつまでも輝いています。今日は一つのけじめの日ですが、新たな挑戦の出発、キックオフの日でもあると思います。皆様のご健闘を心からお祈りいたします」と、万感の思いを込めて挨拶しました。
 解散式典は涙と拍手の中、労組の団結の象徴であった「組合旗」を降納し終了しました。
(写真上:解散式典で挨拶する武田宏司伊勢甚労組委員長、写真下:33年間の歴史を閉じる組合旗の降納)