コスト削減と契約の透明化が目的
 茨城県は今年度から、県営の流域下水処理場の維持管理業務委託契約を、条件付き一般競争入札で決めることになりました。現状は、同一業者との随意契約が続いていますが、競争性と透明性を高めてコスト削減を図るのが狙いです。今年度は、県内5か所の県営下水道事務所のうち、霞ヶ浦流域(土浦市)と県西流域(下妻市)の2か所で、条件付き一般競争入札制度を試行することになりました。
 下水道は、基本的には下水道法により、市町村が整備することになっています。しかし、効率的に整備し、川・湖・海の水質を守るためには、複数の市町村の下水をまとめて処理したほうがいい場合があります。そんなときに、県が設置して、複数の市町村から下水を集めて処理する下水道を「流域下水道」といいます。また、鹿島地域には、鹿島臨海工業地帯の工場・事業所と、神栖町・波崎町・鹿嶋市の一部の汚水を一体的に処理する県営の「特定公共下水」があります。
 下水道処理場の維持管理業務は、365日24時間稼働の連続性や急な降雨などに対応するために、同一業者との随意契約が一般的に行われてきました。例えば、霞ヶ浦流域1978年、県西流域は1997年以降、稼働当初から同じ業者が受注し続けています。
 県は一般競争入札の導入に当たり、業務の継続性や危機管理面でトラブルが生じないよう、「維持管理方案書」の提出を入札参加の資格要件し、業者の処理場事前調査、管理基準書や管理体制表などを提示させて、管理能力の有無を事前に確認することにしました。
 また、委託業者が変わる場合は、契約が終了する一か月前から、次の受注業者へ業務をスムーズに引き継ぐこともにしています。
 一般競争入札は8月31日に行う予定です。契約期間は10月1日から3年間とします。県は契約期間が現在の一年間から三年間に延びることで、トータルで積算価格を5%程度カットできると見ており、受注業者側も複数年度契約で計画的な経営が出来るメリットが生じます。
 この下水道施設管理業務委託での一般競争入札導入は、島根県に次いで全国で二番目となります。
 処理人口普及率年間維持管理費
(H13年度)
管理業者
霞ヶ浦湖北流域下水道200,28359.11,379,865日本ヘルス工業(株)
霞ヶ浦常南流域下水道257,49369.22,564,783日本ヘルス工業(株)
那珂久慈流域下水道170,68348.31,410,561鹿嶋都市開発(株)
霞ヶ浦水郷流域下水道23,22047.4289,244鹿嶋都市開発(株)
利根左岸さしま流域下水道14,22117.3142,001クボタ環境サービス(株)
鬼怒小貝流域下水道10,0839.4131,159
小貝川東部流域下水道平成15年4月供用開始0
※鹿島特定公共下水   クボタ環境サービス(株)
675,98348.45,917,613 
<リンク>茨城県の流域下水