私は、少子化問題への対策の第一歩=入り口として「児童手当」の拡充が重要だと考えています。もちろん、児童手当だけで、少子化問題が解決するとは思っていません。
 さて、『たこの大学日記』よりトッラクバックをいただきました。その内容は、「田舎住まいだと少子化の要因は小学生の児童手当などではないように感じています。どちらかというと、大学まで進学した時の学費がポイントになっていると思います」とのご主張です。更に、「外国と比べて日本はどのような状態なのかを知った上で議論することは大事だと思うんですね。諸外国と比較しながら、日本をこういう国にしたい、そのために、このように税金をとり、それをこういう事に使う、ということを国民は明確に示して欲しいんだと思いますよ。そうやって示された日本の将来が、国民が納得できて、子供を沢山作ってもいいんだな、と思えば少子化は改善していくと思うのですが」と述べられています。
 私は、このご意見に全面的に賛成です。おっしゃるように各国の状況を見てみると、ドイツでは、第1子に年間175,190円、第2子に175,190円、第3子238,896円、第4子以降278,712円の児童手当を18歳まで支給しています。3人の子供を持つと、日本では総額240万円の児童手当を貰える計算になりますが、ドイツでは1060万円もの児童手当が支給されることになります。学校の授業料が無料ということになると、子育てにかかる費用負担の差は、気が遠くなるほどです。
 私は、年金問題より少子化問題の方が、より深刻な課題ではないかと思っています。
 諸外国の情報も含め、国民的な議論がより大きくなることが本当に大切だと思います。
ヨーロッパ諸国の児童手当
 日本イギリスフランスドイツスウェーデン
第1子60,000150,846 175,190130,230
第2子60,000100,564161,961175,190130,230
第3子120,000100,564369,518238,896164,958
第4子120,000100,564369,518278,712234,414
第5子120,000100,564369,518278,712260,460
対象年齢10歳
小学3年修了まで
16歳未満16歳
義務教育修了まで
18歳未満16歳未満
国立社会保障人口問題研究所の「少子化情報ホームページ」の資料をもとに作製。1年間の児童手当を円換算で算出しました。