asahi.com 2004/3/22
国民年金PRの江角マキコさんは未加入、社会保険庁抗議
 昨年7月からポスターやCMで国民年金のPRをしている女優の江角マキコさん(37)が国民年金に未加入だったことが22日、わかった。社会保険庁は契約時に広告会社が提出した「加入している」との書面を信用していたが、マスコミの問い合わせを受けて所属事務所に確認したところ事実を認めた。同庁の厳重抗議を受け、江角さんは19日に加入したという。
 国民年金の未加入や保険料未納の増加に歯止めをかける狙いで、同庁は江角さんを起用し「将来、泣いてもいいわけ」「納めないともらえない国民年金」などのキャッチコピーでPR活動を展開。これまでに6億2000万円を投入した。江角さんとの契約は今月末までだが、同庁は「非常に遺憾。損害賠償などの法的措置の可能性も検討する」としている。 (03/22 19:57)
 しかし、なぜ未加入であることが週刊誌に分かったのでしょうか?
 社会保険庁がタレント起用の前に、保険の加入状況を調べなかった落ち度は明白です。
 でも、年金の加入有無の個人情報が、マスコミに簡単に流出してしまうこの状況は、どう考えればよいのでしょうか。
うっかり 国民年金未納!?
 週刊誌誌上で国民年金の未納を指摘された江角マキコさんは、3月19日、未納の事実を認めた上で謝罪しました。国民年金に即座に加入手続きを行い、この日のうちに納付したということです。
 1989年から実業団の日本たばこ産業に就職し、バレーボール選手として活躍していた江角マキコさんですが、この時点では会社員として厚生年金に加入していました。
 その2年後、けがなどのために選手生活に区切りをつけてモデルに転身した際、個人事業主として国民年金に加入する手続きをしていませんでした。江角自身は切り替えているものと思い込み、故意ではなかったと説明しています。
 昨年11月からは約1カ月にわたり、社会保険庁のテレビCMに出演。江角さんは「納めないと、もらえない。国民年金。」などのコピーとともに保険料の支払い義務をアピールしていました。

 3月24日、茨城社会保険事務所に、江角さんのような厚生年金加入者が国民年金に変更する場合の手続きについて確認しました。
 それによると、厚生年金のある企業を退社した場合、国民年金の手続きが2ヶ月行われないと、手続きを促す案内状が送られます。それでも、申請が行われないと6ヶ月後に再度案内状が送られます。
 それ以降は、原則的に国民年金に加入を勧めることは行われないということです。
 江角さんの行為は責められるべきですが、こうしたシステムの見直しを国会では論議した方がよいのではないでしょうか。
 また、第三者に国民年金の登録情報が漏れることは、考えられないということです。
 免許証や健康保険証、年金手帳などで本人確認をするか、委任状がない限り個人の年金情報を確認することは出来ません。
 報道では情報の流出源があまり語られていませんが、一番気がかりになるところです。(2004/3/24更新)