橋本知事「東京駅延伸の資金に活用」
 橋本昌知事は7月7日の定例記者会見で、つくばエクスプレス(TX)の建設費縮減分約1000千億円を、同線の東京駅延伸の費用にすべきだとの見解を明らかにしました。今後、共同出資した東京、埼玉、千葉の3都県や沿線市町村にも働きかけていく考えです。
 8月24日に開業するTX建設費は、当初計画の1兆500億円から、2003年時点で約9400億円に圧縮され、その後も、都内のトンネル工事で出た土砂を有効利用したり建設コストの縮減を図りました。その結果、最終的には計画より1割程度少なく済み、約1000億円の余剰金が発生する見込みとなっています。
 橋本知事は「(この1000億円を)なし崩しに使うのは全く賛成できない。いろんな工事が続いているので、どういうお金がかかるか見ていく必要がある」と指摘した上で、「私個人の考えでは、建設費と料金収入、路線のイメージからしても、東京駅延伸の方向でやっていくよう、他の出資者(自治体)に働きかけたい。いったん出資金を返してしまうと出しにくい面もある。工事が終わる07年度前後までに、できるだけ早く延伸の方向で結論が出るとありがたい」(読売新聞2005/7/8付け報道)と語りました。
 国土交通省がTX建設促進議員連盟に提出した延伸計画案によると、秋葉原〜東京約2キロの事業費は、建設費縮減分とほぼ同額の約1000億円。工期は約6年で、TX東京駅の設置場所は、JR東京駅西側約300メートルにある丸の内仲通り地下が有力視されています。
 この計画決定には、出資した県や市町村の同意も必要なため、橋本知事は、県の姿勢をいち早く表明したものです。