厚生労働省は、介護保険制度に中で、「要支援」の人が車いすや介護用ベッドを借りる場合、原則として介護保険適用の対象外とする方針を、4月19日までに決めました。今後、厚労省のホームページでガイドライン案を公開して、一般から意見を募集し、6月にも市町村などに通知する予定です。
 現行制度では、福祉用具は在宅サービスを受けている高齢者の3人に1人が利用しています。要支援・要介護認定を受けていれば、1割の自己負担で貸与または購入できます。
 今回まとまったガイドラインは、介護保険の対象になっている17種類の福祉用具ごとに、原則利用できない人の心身の状態や要介護度の基準を示しています。
 要支援の場合、手すりや歩行補助つえ、入浴補助用具、スロープ、歩行器、特殊尿器の6種類以外は、介護保険は適用されず、利用件数の9割近くを占める車いすと介護用ベッドも対象外とされています。
 要介護の状態でも、「歩行がつかまらないでできる」場合は車いすの対象外とし、「寝返り、起きあがり、立ち上がりがつかまらないでできる」人は介護用ベッドを対象外とします。
 2003年12月現在で、要支援の人に対して車いすが1万2500台、介護ベッドが3万8300台貸し出されていますが、保険の適用外になれば、貸与料は全額自己負担になり、負担は10倍になる計算となります。
 介護保険がスタートした2000年4月は福祉用具貸与の給付費が1カ月間で4億円程度でしたが、2003年12月は114億円と28倍に増加しました。介護保険事業者などが介護度が低い人にも積極的に利用を勧めていることが増加の一因と厚労省は指摘しています。
<リンク>介護保険と福祉用具(厚労省のパンフレット)
<参考>茨城県の介護用品貸与・購入サービス、住宅改修サービスの利用状況
 介護用品住宅改修
15年12月13,422,59639,381,347
14年12月11,089,44930,465,245
13年2月11,158,01735,154,195
介護保険事業状況報告(月報)暫定版より作成(単位は円)

厚生労働省の「介護保険における福祉用具給付の判断基準案」(PDF)