新潟・富山・福井の集中豪雨の被災者の皆さまに、心からお見舞い申し上げます。 今回の災害を受けて、多数のボランティアが被害地での活動を活発化させています。
Asahi.com新潟(2004/7/18)
ボランティア全国から
 豪雨災害の発生から5日目。初の連休を迎えた被災地は、家屋からの泥だしや粗大ごみの片づけが一家総出で行われた。各地に駆けつけたボランティアの中には、全国のさまざまな被災地に赴いたことのあるグループも登場。被災者の頼もしい助っ人となった。
◆三条市
 三条市は、道という道が車で大渋滞。もともとが一方通行の狭い路地にごみが積まれ、地元の人でも思うように移動できない状態だ。
 同市には午前中だけで300人以上がボランティア登録した。効率的に動いてもらう仕組みづくりはこれからになる。
◆中之島町
 中之島町には42団体に所属する500人を含む850人が、スコップなどを手に集まった。
◆長岡市
 長岡市には国際ボランティア学生協会(東京都)の9人が15日から入っている。17日は、同市乙吉町の民家に入り込んだ土砂や流木を運び出す作業を手伝った。
◆見附市
 見附市には約550人が集まった。床上浸水した家の畳をはいで床板を外したり、泥を出して石灰をまいたりする作業に男女問わず取り組んだ。
 こうしたボランティアなどへの情報提供に、Blogが活用されています。(災害情報でのBlogの活用は、2003年12月の宮城県北部地震の南郷町での事例が最初であったとのご指摘をNPO愛知ネットの岡坂さんよりいただきました)
 「三条市災害ボランティアセンター」は、7月17日から情報発信を開始。被害地の写真情報を掲載した「三条市災害ボランティアセンター画像HP」は、携帯電話からの画像送信機能(いわゆるモブログ)をフルに活用したページとなっています。
 「中之島町緊急ホームページ」では、Nucleusのシステムを活用し、7月17日から情報を発信しています。中之島役場のサーバーが水害によりダウンしたため、NPOながおか生活情報交流ネットが情報を発信しています。
 なお、NPO愛知ネットの「水害・台風災害情報」のBlogもいち早く被災地の情報を提供しています。
 Blogがもつ即時性や同時アクセス性など、こうした災害の際の情報提供には、こんご一層活用されていくものと思われます。
 行政の立場からも、ボランティアとどのような連係を図っていくか、どのような情報を発信していくかなど、通常時からのマニュアル作りが必要になると思われます。

 NPO愛知ネットの岡坂さんより、Blogを利用した災害情報提供について、情報を提供して頂きました。非常にわかりやすく、有益な情報ですので一部引用させて頂きました。
B-log Cabin TP(2003/12/12)
災害情報発信の為のWeblog
災害の現地から情報を発信する地方自治体や対策本部の担当者は、HTML を理解し災害情報発信の為の専門HPの立ち上げを行える人である場合はまれだろう。Net関連の技術知識無しに即時に正しい情報を発信して行く必要性が、被災地では予期せずある日突然発生する。マルチ・オーサー機能やモブログ機能を備えた Weblog は、こうした危機管理・災害復興支援の現場でも活用されている。

ケーンオカサカドットコム(2004/3/19)
なぜ「防災にウェブログ」なのか。
2.ウェブログの災害時への応用
2.1発信体制移行
災害時には情報が救援活動の根拠になるため、初期段階からの現地情報の発信体制を早急に整備する必要がある。災害時に外部から流れ込む、人・物・情報を効率的にまとめる活動のための情報システムが必要になる。災害発生後3日後をピークとして、外部からの問い合わせが行政機関や社会福祉協議会に殺到する場合が多い。プレスリリースをスピーディに詳細に発行すれば、問い合わせの件数が減ると考えられるが、災害時は記者の対応に多くの時間をかけられない。そこで、瞬時に情報発信ができる仕組みを構築する必要がある。
そのような対応に向けて、ウェブログのCMSとしての機能を応用する。管理・作成するべき端末を選ばず、必要に応じて任意のタイミングで任意の名称をつけてサイトを生み出すことが出来るその機能は、臨時に発生し複数地域の情報が錯綜するなど、情報内容が流動的な災害時において有効に働くはずである。
2.2収集体制充実
ウェブログには投稿を簡易にする数々のプラグインがある。その1つに「moblog(モブログ)」がある。モブログはメールでウェブログへの記事投稿を可能にしているモジュールである。これを利用すれば、インターネットメールを発信できるあらゆる端末でウェブログへの情報投稿が可能になる。可能性のある端末として、携帯電話、通信端末を持つPDA、インターネット接続したパソコンが考えられる。メールを送信するだけでホームページを書き換えるため、操作が難しい管理画面を開いて投稿記事を入力するよりももっと簡単に情報投稿が可能になる。また投稿者もメールを送ることが出来る程度のITスキルで対応できるため、投稿者の層も大幅に広げることが出来る。画像添付のメールを送信すれば記事に画像も添えられるため、携帯電話の機動力と投稿者の人口を期待した広範囲かつきめの細かい情報収集が可能になる。
 専用のサーバーを持たなくても、ASP型のBlogサービスが充実した現状では、すぐにでもサイトを立ち上げられ、モブログなども利用できるようになりました。発信する側の体制さえ整備できれば、とても心強い情報源となるはずです。