久しぶりに5月20日で閉店したボンベルタ伊勢甚の空きビル「アウリット」に立ち寄ってみました。ビルのシンボルとなっていたRのマーク(正確には人に丸くとの意味でした)は既に取り外され、夏空の下、無人の空間が広がっていました。
 正面玄関には、「市民の皆さまへ 何かとご不便をおかけしており申し訳ございません。私たちは秋のリニュアルオープンを目指して努力しておりますが、或る事情で市の協力を得られず苦労しております。一日も早く開店できますようご支援ご声援をよろしくお願いいたします。平成17年8月 神峰総合開発株式会社」との貼り紙が目を引きます。
 当初は秋口のオープンを目指して、神峰開発のオーナーが全額出資した「日立百貨店」が再オープンの準備を進めていました。様々な経緯を経て計画は遅れ、具体的な目処は立っていないようです。その理由を「或る事情で市の協力を得られず苦労しております」と、市に責任転嫁しているのが気になります。
 神峰開発は固定資産税などの市税の滞納が、10億円を越すことが新聞報道で明らかになっています。イオンへ返済しなくてはならない保証金が7億円以上あるとされています。このような事態を受けて、市は同社の物件を差し押さえました。イオンも法的手段に入ることを前提に交渉をしています。
 日立市最大の市税滞納者に、神峰開発は何を望むのでしょうか?市民の協力をと呼びかけるのあれば、「或る事情」とは何なのか、何を市に協力を求めているのか、神峰開発は明確にする必要があります。

 この貼り紙は、市役所からの申し入れにより8月12日現在、撤去されているとのことです。(2005/8/12更新)