民営化せず、郵貯100兆円削減
 8月13日、民主党は現在230兆円ある郵便貯金の資金を、今後8年〜10年間で100兆円削減する数値目標をマニフェストに盛り込むことを決定しました。現在1000万円の貯金限度額を、まず700万円に、その後500万円に引き下げることで、郵貯全体の資金量を減少させます。
 経営形態では、今後2年間は日本郵政公社を維持すると述べるにとどまり、自民・公明との差別化を鮮明化するため、「民営化」との表現は禁句とすることも確認したと言われています。
 これまで民主党は、郵政民営化を「多くの争点の一つにすぎない」として、衆院選の争点にしない立場を取り、「相手の土俵に乗らない」「年金制度改革や歳出削減など、より大事なことがある」などと説明していました。しかし、このままでは、「郵政解散」との世論を押し止めることは、選挙戦に不利と考えたようです。
 民主党の民営化反対の理由は、民営化に反対する労組を支持層とするうえ、民営化賛成派と反対派が混在する党内をまとめきれないという事情があるからに他なりません。
 そこで、郵貯を100兆円削減というマニフェストを掲げる苦肉の策に出たわけです。
 しかし、郵貯のパイを削減して、国営のままでは経営の効率は下がることが目に見えています。規模を縮小するからには、人員を整理しなくては経営の悪化を止めることは出来ません。さらに貯金者の利便性も失わせることになります。国民のための郵政改革とは反対の方向性であることは明白です。
 また、簡易保険の資金への具体的な言及はなく、公社の将来像も明確にしていません。
 付け焼き刃の民主党郵政改革マニフェストでは、国民を欺くことはできないと思います。
 
官から民への資金の流れ作り出す本物の郵政改革案示す
民主党ニュース・トピックス(2005/8/13)
 そう前置きした岡田代表だが、民主党が郵政改革を軽視しているわけではなく、それどころか2年前の総選挙マニフェストでも示してきたように、民主党案こそが本物の郵政改革につながることを明示。手立てとして、150兆円におよんでいる郵貯の徹底的な規模縮小の必要性をまず指摘。その具体策としては、現在1000万円とされている郵貯の上限の700万円や500万円への引き下げを提案した。この引き下げによって、従来、1000万円郵貯に預けていた人は、手元に残るお金の預入先を民間銀行等へ変更するか、国債の買付等にあてざるを得なくなり、めざす「官から民へ」のお金の流れが自ずと実現することを岡田代表は明らかにした。
 同時に、制度的には廃止されているにもかかわらず、郵貯・簡保に預け入れられたお金が、現実には国債の買い付け等に当てられている実態を指摘した岡田代表は、「小泉さんが総理になって、この5年間で郵政公社が引き受けた国債の額は100兆円も増えている」と語気を強めて批判。「民主党政権になれば、郵政公社に国債を引き受けさせることはやめさせる」と岡田代表は宣言し、民主党主導で構造改革を断行していく考えを改めて示した。
(民主党岡田克也代表の8月13日、心斎橋・天王寺駅前で遊説内容)
 お粗末な内容の遊説と言わざるを得ません。まず、誤りを1点指摘します。「150兆円におよんでいる郵貯の徹底的な規模縮小の必要性をまず指摘」とありますが、郵貯の資金量は通常230兆円程度と言われています。150兆円とはどのような数字なのでしょうか?
 また、国債の引き受け事態が「悪」との発想ですが、民営化した郵便貯金会社が自主的な判断で「国債」を購入することの方がよりベターなのではないでしょうか。官営のままの郵政に固執しているので、こんなチンプン・カンプンな演説になってしまいます。地方議員の私にも笑い話としか聞こえません。