郵政民営化をマニフェストの第1項目に明記
 8月16日、公明党は東京都新宿区の党本部で常任役員会を開き、9月11日投票の衆院選に向けて「日本を前へ。改革を前へ。」と題する政策綱領「マニフェスト2005」を決定し、神崎武法代表と井上義久政務調査会長、山口那津男政調会長代理が記者会見し、発表しました。
公明党衆院選・マニフェストのポイント
◆児童手当は「小学6年まで」に(所得制限も「1千万円」へ)
◆税金の制約へ対策本部設置
◆がん対策強化へ予算「倍増」
◆特殊法人からの天下り禁止
◆ユーザーの立場で自動車諸税を改革

 今回のマニフェストは3部構成で、具体的な政策目標や施策を網羅したのが特徴です。
 第1部では、郵政民営化について「構造改革の要」と強調し、「時機を失しない速やかな改革が大事。総選挙後の国会で改めて法案の成立に万全を期す」と明記しました。
 第2部では、子育てや社会保障から国際貢献までの具体的な政策を分類し、「日本を変える・6つの改革」として提示しました。
 特に子育て支援では、「20歳まで」安心して育てられる「20項目」を「平成20年」(2008年)までに達成する「子育て20(ニーマル)安心プラン」の柱として、児童手当と出産育児一時金の抜本拡充を明記。児童手当は、来年度(2006年度)から支給対象を「小学校6年生まで」に拡大し、所得制限も標準世帯で概ね1000万円に引き上げた上で、次の段階として支給対象を「中学3年生まで」に引き上げ、手当額も倍増。出産育児一時金は現行の30万円から50万円に拡充することを公約としました。
 また、健康長寿社会の構築では、今後の増大が見込まれる医療費の抑制について「疾病予防」の観点から挑戦。その一環として「がん対策予算の倍増」などを掲げています。
 一方、歳出削減では、税金のムダ遣いをなくすため、首相を本部長とする「行政効率化対策本部」(仮称)を設置するほか、具体的手法として、「事業仕分け作戦」を提唱。国の全事業を(1)廃止(2)統合(3)民間に委託(4)地方に移管――に仕分けして経費を節減、そこで捻出した財源を子育てや、がん対策などに重点配分するとしています。
 また、官製談合の防止に向けては、特殊法人などの役員による公共工事受注企業への天下りを原則禁止するとともに、指名競争入札制度を原則廃止し、一定の条件を満たせば、誰でも参加できる一般競争入札、電子入札などの拡大を明記しました。
 一方、自動車諸税に関しては、ユーザーの立場から見直しを行うと提示しています。
 このほか、「6つの改革」には、耐震改修への補助など防災対策や、アジア重視の国際交流などを盛り込みました。
 第3部の「当面する重要政治課題」では、経済財政運営や地方分権、憲法改正問題、教育基本法の見直し、イラク問題・国際貢献、北朝鮮問題などでの党の見解を明記。アスベスト(石綿)対策では患者・遺族を救済する新法の早期実現をめざすことも示しています。