参院自民党「造反議員」の態度変化
 9月11日、衆議院総選挙の投票が始まりました。7時丁度に、投票所である近くの小学校に行ってみると、既に10数人が入口に並んでいました。総選挙に対する関心は高いようです。今回の選挙の最大の争点は「郵政民営化」です。たとえ衆議院で自公が過半数を取ったとしても、参議院での勢力分野は変わらないので、結局、郵政民営化関連法案は又否決されてしまうのではないか、との声もささやかれています。しかし、そうした状況は大きく変化してきているようです。
与党勝利なら…参院造反組、郵政法案賛成の動き
読売新聞YOMIURI ONLINE(2005/09/10)
 衆院選が与党有利の戦いとなっていることを踏まえ、小泉首相と自民党執行部は、選挙後の特別国会での郵政民営化関連法案成立に自信を深めている。
 衆院選で与党が勝利することで、先の通常国会の参院本会議で反対、欠席・棄権した自民党参院議員の多くが賛成に転じるとの見通しを強めているためだ。
 同法案については、反対票組の鴻池祥肇・元防災相が9日、国会内で青木参院議員会長と会談し、「民意に従うのが政治家の筋だ」などとして、衆院選で与党が過半数を得れば法案に賛成する意向を伝えた。「反対した人たちの気持ちを考えれば、一か月前に出てきたのと同じものでは賛成しにくい」として、何らかの修正が必要との認識を示しつつも、反対から賛成に転じた。
 さらに真鍋賢二・元環境庁長官、二之湯智参院議員も同日、読売新聞の取材に対し、衆院選で与党が勝利すれば法案に賛成する考えを示唆した。
 先の通常国会では114人の自民党参院議員のうち22人が反対し、8人が欠席・棄権した。その結果、法案は賛成108票、反対125票で否決された。その後の新党結成などに伴い、特別国会での参院採決では自民党から17人が反対すれば否決されることになるが、自民党参院執行部は威信をかけて反対票組の切り崩しにあたる方針だ。

 参議院の独自性という言葉はよく聞かれますが、郵政民営化の国民投票ともいえる衆院総選挙の結果を無視することは出来ません。その意味で、参院で反対票を投じた鴻池祥肇議員の「民意に従うのが政治家の筋だ」という言葉は当然と言えば当然です。
 今日の投票結果が、「郵政民営化を突破口に国の構造改革を進めよ」との強いメッセージを発することを期待します。そして、特別国会での郵政民営化関連法案の成立を強く求めるものです。
 (郵政民営化の問題で、先の通常国会では障害者自立支援法など重要法案も廃案になっています。あわせて早期の成立が望まれます)