病院事業管理者を設置し、職員の任免や給与の決定など強い権限
9月22日、県立中央病院、県立友部病院、県立こども病院の県立3病院の経営形態に関する検討委員会は、第5回目の委員会を開催し、橋本昌県知事に対して提出する報告書素案をまとめました。
素案では、地方公営企業法を早急に全面適用して、人事や予算の原案作成の権利を持つ「病院事業管理者」を置いて経営にあたるべきだと結論づけました。
今回の検討委員会の素案は、地方公営企業法の全部適用を提言したのみではなく、改革が進まなかった場合の民営化にも触れた内容であることに大きな評価をすることが出来ます。地方公営企業法を全部適用した場合でも、医師や看護師、職員は公務員の身分が保障されますので、意識改革や給与の適正化など、抜本的な見直しができない可能性があります。そうした場合に「民営化」という、ドラスティックな方向性を示したことは、改革への強い決意をしめすことになります。
今後は、具体的に病院経営を引っ張る病院事業管理者の人選に焦点は移ることになります。

素案では、地方公営企業法を早急に全面適用して、人事や予算の原案作成の権利を持つ「病院事業管理者」を置いて経営にあたるべきだと結論づけました。
県立病院の経営携帯に関する検討委員会素案
- 早急に「地方公営企業法の全部適用」を導入した上で、新たに設置される病院事業管理者のもと、徹底した経営改善に努めて行くことが適当であると考える。
- 病院事業管理者の設置にあたっては、職員の任免、給与の決定、予算の原案作成など権限を実質的に行使できる条件を整備すべきである。
- 新たな経営形態に移行するにあたっては、改革目標の設定及びその達成状況を定期的に評価する仕組みを早期に確立すべきである。
- 地方公営企業法の全部適用の実施から4年間を目途に病院の改善の状況を検証した上で、改善が図られない場合には、民営化を含めた他の経営形態の移行について、改めて検討を行うべきである。
- 今後の県立病院のあり方については、まず、中央病院の政策医療のあり方、友部病院の施設整備、さらには、中央病院友部病院の統合の是非を含め、病院事業管理者のもとで、地元関係者、利用者代表を加えた有識者による検討委員会を設置し、検討することが適当である。
今後は、具体的に病院経営を引っ張る病院事業管理者の人選に焦点は移ることになります。
地方公営企業法の「全部適用」について
地方公共団体の経営する病院事業については、地方公営企業法のうち財務に関する規定(経営の基本原則、特別会計の設置、経費負担の原則等)が当然に適用される(現在の茨城県の県立病院の経営形態、いわゆる「部分適用」)。
また、条例の定めるところにより、財務に関する規定だけでなく、組織に関する規定及び職員の身分取扱に関する規定についても適用することができる(今回提案された経営形態、いわゆる「全部適用」)。
「全部適用」の特徴
(1)管理者の設置
・管理者は、業務執行権及び代表権(予算の調整等を除く)を有する。
・管理者の担任事務
1.内部組織の設置、2.職員の任免・給与等の身分取扱い、3.予算の原案・説明書の作成、4.資産の取得・管理・処分、5.契約の締結、6.労働協約の締結など
・管理者は、業務に関する管理規程の制定権を有する。
(2)職員の身分取扱
・地方公営企業労働関係法の定めにより、労働組合の結成、団体交渉、労働協約の締結等が認められる。
・給与、勤務時間その他の勤務条件は、法律及び条例に基づき、労働協議を経て管理者が決定する。
地方公共団体の経営する病院事業については、地方公営企業法のうち財務に関する規定(経営の基本原則、特別会計の設置、経費負担の原則等)が当然に適用される(現在の茨城県の県立病院の経営形態、いわゆる「部分適用」)。
また、条例の定めるところにより、財務に関する規定だけでなく、組織に関する規定及び職員の身分取扱に関する規定についても適用することができる(今回提案された経営形態、いわゆる「全部適用」)。
「全部適用」の特徴
(1)管理者の設置
・管理者は、業務執行権及び代表権(予算の調整等を除く)を有する。
・管理者の担任事務
1.内部組織の設置、2.職員の任免・給与等の身分取扱い、3.予算の原案・説明書の作成、4.資産の取得・管理・処分、5.契約の締結、6.労働協約の締結など
・管理者は、業務に関する管理規程の制定権を有する。
(2)職員の身分取扱
・地方公営企業労働関係法の定めにより、労働組合の結成、団体交渉、労働協約の締結等が認められる。
・給与、勤務時間その他の勤務条件は、法律及び条例に基づき、労働協議を経て管理者が決定する。