10月4日の茨城県議会本会議で、川俣勝慶教育長は、公立小中学校での教科書選択地区見直しについて、細分化する方向性をしめしました。
 現在、茨城県は県内を7つのブロックに分け、教科書の採択を行っています。細分化することによって、一部地区で扶桑社の教科書等が採択されやすくなる可能性があります。若干長文の引用になりますが、10月5日付の産経新聞朝刊の記事を紹介します。
中学教科書 採択地区を細分化
産経新聞(Sankei Web 2005/10/5)
 川俣勝慶教育長は10月4日の県議会9月定例会で、公立学校の教科書採択地区の見直しについて「市町村の独自性確保の観点から速やかに進める必要がある。平成18年度中に新しい採択地区を設定する」と述べ、現在7地区ある県内の採択地区を来年度中に細分化する方針を明らかにした。
 教科書採択をめぐっては、今年7月、大洗町教委が来春から使用する中学教科書として「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーらが執筆した扶桑社の教科書を全員一致で選んだが、同町など14市町村で構成する共同採択地区は別の教科書の採択を決定し、大洗町教委が扶桑社教科書の正式採択を断念した経緯がある。
 採択地域の細分化は、市町村合併に伴い、自治体の教育委員会の体制も強化されてきた現状を考慮すると、自然の流れであるとも考えられます。その分、各教育委員会の慎重な検討が求められます。
産経新聞は事実を正しく冷静に伝える姿勢が必要
 さて、産経新聞の記事の後半部には、「18年度中の採択地区細分化方針で、大洗町教委が19年度にも扶桑社教科書を独自に採択する可能性が高まった」(産経新聞2005/10/5付け地方版:太字は管理者が施しました)との記述があります。この記事は、かなり恣意的な記事であり、制度や法令を無視した、事実とは異なった内容ではないと思われます。
 その理由は一つに、大洗は当然ながら「町」であるために、法令によって教科書を単独で採択できる単位にはなりえないということです。2点目は、教科書の採択は4年間が単位であり(今年の採択された教科書を18年度から21年度まで使用します)、19年度から新たな教科書を使うことが制度上できないということです。
 産経新聞社が扶桑社の教科書採択を押し進める立場にあることを理解した上でも、新聞という公平・公正さを第一とする公器にあって、その報道の姿勢には疑問を持たざるを得ません。