10月13日に行われた県議会保健福祉委員会で、井手よしひろ県議は、アスベスト被害対策について、執行部の対応を質しました。
 アスベスト(石綿)と「中皮腫」との因果関係については、一般的にアスベストの暴露がない環境での発生は100万人当たり2人に対して、暴露があった環境では5000人と、かなり強い相関関係があることが説明されました。
 また、最近3年間(2002〜04年)に県内で中皮腫による死亡例は、50人に上ることが報告されました。一方、労災が認定された中皮腫(または肺ガン)の死亡例は9例であり、中皮腫の8割程度が死亡原因がよく分かっていないことが明らかになりました。
 こうした状況をもとに、井手県議は、発症原因などを追跡調査する必要性を訴えました。
 答弁に立った保健予防課長は、全国調査に先駆けて、厚生労働省が過去に実施した人口動態調査のデータを用い、アスベスト関連の職歴の有無などを調査している事を報告しました。個人情報の目的外使用にも当たるため、国の機関とも十分に連携をとり、調査を進めることを明らかにしました。
 県が行う調査では、遺族への聞き取りやカルテの再調査なども行い、死亡者の職歴や住環境など詳しい原因を分析するとしています。
●茨城県の中皮腫による死亡者数(厚生労働省の資料)
   平成14年  平成15年  平成16年  合計
男性  15人   10人   11人   36人
女性   6人    5人    3人   14人
合計  21人   15人   14人   50人
●労災認定されたアスベストを原因とする中皮腫(肺がんを含む)死亡者数
(株)エーアンドエーマテリアル旧石岡工場  3名(肺がん)
日立化成工業(株)下館事業所  1名
(株)クボタ旧鹿島工場  3名(内1名は肺がん)
(株)日立製作所旧勝田工場  2名