11月14日厚生労働省は、鳥インフルエンザなどから変異した「新型インフルエンザ」の大流行が国内で起きた場合の国や地方自治体の行動計画を公表しました。
 行動計画は、世界保健機関(WHO)が各国に示したチェックリストを基に作成されています。通常時から大流行時までを1〜6段階に分類し、さらに各段階を国外で発生した場合のAと、国内で発生した場合のBに分けて対策を示しています。
 例えば、新型インフルエンザが国外で発生した場合は、「4A」ランクとなります。流行地からの検疫の強化や入国者の健康診断など水際対策を強化し、通常のインフルエンザ患者に治療薬の使用を控えるように指示されます。
 新型のインフルエンザが、国内で広まった状況・「4B」では、患者に対して入院勧告を行い、家族ら接触者に外出自粛を求めます。さらに、発生地域の学校などには臨時休校を要請し、企業には感染が疑われる従業員らへの出勤停止なども勧告するとしています。また、薬の予防投与やワクチンの接種を始めます。
 国内で大流行が始まった最悪の状況である「6B」では、厚労相が非常事態を宣言し、すべての大規模な集会や海外旅行などの自粛を勧告します。すべての医療機関で診断や治療をい、治療の優先順位を、入院患者、医師や社会機能の維持に重要な人材(警察官や消防関係者など)、心臓などに基礎疾患のある人、高齢者や子ども、一般の外来患者の順としました。
 タミフルなどの治療薬の備蓄量目標を、国1050万人、都道府県1050万人、民間400万人の合計2500万人分と設定しました。
 ただし、備蓄に必要な予算(約700億円)などについて、その財源等には言及されておらず、財政の厳しい地方にとって大きな課題となりそうです。
参考:「新型インフルエンザ対策行動計画」の概要について(厚生労働省寺領概要版)
WHOのインフルエンザのパンデミックス・フェーズ
フェーズ1ヒトから新しい亜種のインフルエンザは検出されていないが、ヒトに感染する可能性を持つウィルスを動物から検出
フューズ2ヒトから新しい亜種のインフルエンザは検出されていないが、ヒトに感染するリスクが高いウィルスを動物から検出
フューズ3動物からヒトへの新しい亜種のインフルエンザ感染が確認されているが、ヒトからヒトへの感染は基本的にない
フューズ4ヒトからヒトへの新しい亜種のインフルエンザ感染が確認されているが、感染集団は小さく限られている
フューズ5ヒトからヒトへの新しい亜種のインフルエンザ感染が確認され、パンデミック発生のリスクが大きな、より大きな集団発生が見られる
フューズ6パンデミック(世界的な大流行)が発生
各々のフェーズで国内非発生をA、国内での発生をBとする

主なフェーズごとの具体的計画
フェーズ3A
(国内非発生)
・政府の新型インフルエンザ対策行動計画を策定する。
・海外渡航者に対する注意喚起を行う。
・国内飼育家きんの高病原性鳥インフルエンザの発生防止対策の徹底、農場の従事者等に対する感染防御への支援、要請を行う。
・緊急的なワクチン接種を想定し、プロトタイプワクチン原液の製造、貯留を行うとともに、フェーズ4を想定し、パンデミックワクチン製造用の鶏卵の確保等生産に係る対応計画の検討を実施する。
・リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)の確保すべき量を決定し、備蓄を開始する。
・新型インフルエンザ患者の診療・治療にあたる指定医療機関等の整備、必要な医療器材等の確保を進めるよう要請する。
・高病原性鳥インフルエンザについて、発生国の在留邦人、国民向けに情報提供する。
フェーズ4A
(国内非発生)
・ウイルスが確定次第速やかに、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という。)に基づく指定感染症への政令指定を行う。
・感染がみられた集団(クラスター)を早期発見するために、学校や職場などを対象としたクラスターサーベイランスを開始する。
・検疫所は、発生地域からの入国者に対し、新型インフルエンザ患者の疑いがある場合には、検疫法に基づく停留を行うなど検疫を強化する。
・新型インフルエンザウイルス株の特定後、鶏卵等の確保ができ次第、パンデミックワクチンの生産を開始する。通常期インフルエンザワクチン生産時期の場合には、製造ラインを直ちに中断して新型に切り替えることを含め、適切に対応する。
・各医療機関に対して、通常のインフルエンザ患者には、原則として抗インフルエンザウイルス薬の使用を控えるよう指導する。
・メディア等に対し、適宜、広報担当官(スポークスパーソン)から海外の発生・対応状況について情報提供する。
フェーズ4B
(国内発生)
・対策推進本部長(厚生労働大臣)が国内でのヒトからヒトへの感染発生について宣言し、国としての対策強化を表明する。
・新型インフルエンザの疑いがある患者には、感染症法に基づき、入院勧告を行い、確定診断を行う。
・新型インフルエンザの疑いがある患者の家族等の接触者に対しては、経過観察期間を定め、外出自粛要請、健康管理の実施及び有症時の対応を指導する。
・発生地域における不要不急の大規模集会や、不特定多数の者が集まる活動について、自粛を勧告する。
・医療機関等で患者を診療した従事者、患者との濃厚接触があり、社会機能維持に必要な者への抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を指示する。
・各医療機関に対して、新型インフルエンザ患者及び疑い患者以外において、原則、抗インフルエンザウイルス薬の使用しないよう指導する。
・プロトタイプワクチンについて、緊急的に医療従事者及び社会機能維持者を対象にワクチン接種場所に配分し、状況に応じ、接種を行う。
・パンデミックワクチンが製造され次第、希望者への接種を開始する。
フェーズ6B
(国内発生)
・厚生労働大臣が非常事態宣言(国内対策強化宣言)を行う。
・新型インフルエンザ患者の入院措置を緩和し、全医療機関において診断・治療を行うとともに、入院治療は重症患者に行うこととする。
・新型インフルエンザ患者の疑いがあると診断された者に対して、発症48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬により治療を行う。
・抗インフルエンザウイルス薬による治療の優先順位を、次のとおりとする。
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