11月29日、前日の住民と行政の意見交換会を受けて、大沼川流域のタウンウォッチングを行いました。
 2級河川大沼川は、河川断面が小さく流れも急なため、一時的な降水でも流域各所で浸水被害が発生します。
 地元住民や井手よしひろ県議らの働きかけにより、現在までに最上流部に調整池が完成し、下流部の海端団地地区では分水路トンネルの工事発注されました。(分水路はH20年春の完成予定)
 しかし、一番浸水被害が多発している河原内地区(国道6号〜JR常磐線)と大沼団地地区(JR常磐線〜通勤道路)は、対策がほとんど手つかずの状態です。大沼団地内では、常磐線から大沼団地内への入り口で河道が急に折れ曲がっている、大沼川本線と支線が直角に合流する、さらに団地内で90度方向変換するなど、多くの深刻な問題を抱えています。
 その上流部である河原内地区は、JR常磐線の下部を抜ける河川断面が著しく小さいために、いったん雨が降ると深刻な影響を与えています。
 上流部は河道が深く谷状になっており、河岸が崩落する危険性があり(昨年一部が崩落しました)、改修工事が始まっています。
 上流の工事のためにほとんど水が流れていないこともあり、井手県議は、上流から約3キロの間を徒歩で検証し、常磐線下の稼働の状況など詳細に調査しました。今後の改修促進運動の参考にしていきたいと思っています。
●台原団地に隣接して建設された調整池。
この完成によって浸水被害はかなり低減されました。
●上流部で進む河岸の改修工事。
●河原内地区の大沼川本線。河道が上流から流されてきた岩石が堆積してしまっています。
●河原内地区の大沼川(支線)。河道が細く急激な増水に耐えられない構造です。
●JR常磐線の下部。周辺が都市化する前に作られたため、川幅は1メートル程度しかない。この部分の改修にはJRとの協議が必要であり、多額の費用と期間がかかるといわれています。
●JR常磐線の下を流れてきた大沼川(本線)は、大沼団地内にはいると急勾配を駆け下り、左に鋭角にカーブを切ります。この部分から溢水が起こります。
●大沼川の本線と支線が合流する地点。団地内に直角で二つの河川が合流するという無理な構想となっており、浸水被害の出やすいポイントとなっています。
●海端団地内では堤防のかさ上げ工事が完了し、分水路工事も06年春の開始されます。