市民の百貨店再開への要望高まる
今年5月20日、県北地域の唯一の百貨店として市民に親しまれたボンベルタ伊勢甚日立店が、38年間の歴史に終止符を打ち閉店しました。
この跡地に、大型店の再開を求める声は日増しに大きくなっています。建物と土地を所有するビル管理会社(神峰開発)は、イオンに対する保証金の返済や市税の納付が滞っています。そのために、土地・建物は日立市から差し押さえを受けています。
伊勢甚の閉店当初には、その管理会社が出資した事業者が「日立百貨店」として再オープンさせる予定でした。しかし、金融機関からの資金の調達にメドが立たず、6月下旬には会社自体が精算されてしまいました。
その後、神峰開発は都内のコンサルタント会社と共同での出店計画を進めましたが、資金的な見通しがたたず、徒に時間が経過していました。
その間、地元商店街や市民から早期の百貨店再開を求める署名が、樫村千秋日立市長に対して提出されました。日立市議会でも、異例の全会派一致での申入れを市長に行いました。
こうした動きを受けて、行政が神峰開発より直接、土地と建物を購入することが、一時、真剣に検討されました。(市税滞納分は相殺)
また、日立市内の企業の中でも、共同して百貨店を運営できないかという話し合いが具体的にもたれました。しかし、いずれも、購入金額や実際に百貨店を運営する主体などの問題は解決できませんでした。
投資ファンドが土地・建物を一括して買収、専門店ビルとして再建
12月になり、都内の投資会社(ファンド)が神峰開発から土地と建物を一括して買い上げ、専門店ビルとして再開させる計画が具体化しました。この計画が進んでいるために、行政が関与した再建計画は、現在休止されています。
正式な売買契約には、土地・建物に付いている抵当権(イオンの保証金と銀行融資の根抵当)や差し押さえ(日立市の市税)を解除する必要があります。また、実際には、土地建物の所有者は神峰開発一社ではなく、所有比率はわずかですがもう一社、所有権を持つ会社があります。こうした細部の交渉や手続きが残されており、土地・建物の所有権が神峰開発からファンド企業に移るのは、来春1月以降になると思われます。
年明けとともに、専門店ビルとしての具体的な経営母体(経営の手法)などの議論が、土地売買交渉と平行して進められると思われます。
百貨店の再開という当初の目的からは、若干方向性が違ってきましたが、商業施設として再開されることは喜ばしいことです。一刻も早く、計画の具体的青写真が市民に示されることが期待されます。
(この記事は、管理者が個人的に知り得た情報をまとめたものです。万一、事実関係が異なっていた場合はご一報ください。即刻訂正、削除いたします。)
当初、記事中に「(土地・建物の管理会社は)実質的に債務超過に陥っているといわれています」との表現がありましたが、直接、関係者からそのような状況ではないとのご指摘をいただきました。伝聞による不適切な表現であったと反省し、削除・訂正させていただきます。
(2006/1/6 18:13更新)
今年5月20日、県北地域の唯一の百貨店として市民に親しまれたボンベルタ伊勢甚日立店が、38年間の歴史に終止符を打ち閉店しました。
この跡地に、大型店の再開を求める声は日増しに大きくなっています。建物と土地を所有するビル管理会社(神峰開発)は、イオンに対する保証金の返済や市税の納付が滞っています。そのために、土地・建物は日立市から差し押さえを受けています。
伊勢甚の閉店当初には、その管理会社が出資した事業者が「日立百貨店」として再オープンさせる予定でした。しかし、金融機関からの資金の調達にメドが立たず、6月下旬には会社自体が精算されてしまいました。
その後、神峰開発は都内のコンサルタント会社と共同での出店計画を進めましたが、資金的な見通しがたたず、徒に時間が経過していました。
その間、地元商店街や市民から早期の百貨店再開を求める署名が、樫村千秋日立市長に対して提出されました。日立市議会でも、異例の全会派一致での申入れを市長に行いました。
こうした動きを受けて、行政が神峰開発より直接、土地と建物を購入することが、一時、真剣に検討されました。(市税滞納分は相殺)
また、日立市内の企業の中でも、共同して百貨店を運営できないかという話し合いが具体的にもたれました。しかし、いずれも、購入金額や実際に百貨店を運営する主体などの問題は解決できませんでした。
投資ファンドが土地・建物を一括して買収、専門店ビルとして再建
12月になり、都内の投資会社(ファンド)が神峰開発から土地と建物を一括して買い上げ、専門店ビルとして再開させる計画が具体化しました。この計画が進んでいるために、行政が関与した再建計画は、現在休止されています。
正式な売買契約には、土地・建物に付いている抵当権(イオンの保証金と銀行融資の根抵当)や差し押さえ(日立市の市税)を解除する必要があります。また、実際には、土地建物の所有者は神峰開発一社ではなく、所有比率はわずかですがもう一社、所有権を持つ会社があります。こうした細部の交渉や手続きが残されており、土地・建物の所有権が神峰開発からファンド企業に移るのは、来春1月以降になると思われます。
年明けとともに、専門店ビルとしての具体的な経営母体(経営の手法)などの議論が、土地売買交渉と平行して進められると思われます。
百貨店の再開という当初の目的からは、若干方向性が違ってきましたが、商業施設として再開されることは喜ばしいことです。一刻も早く、計画の具体的青写真が市民に示されることが期待されます。
(この記事は、管理者が個人的に知り得た情報をまとめたものです。万一、事実関係が異なっていた場合はご一報ください。即刻訂正、削除いたします。)
当初、記事中に「(土地・建物の管理会社は)実質的に債務超過に陥っているといわれています」との表現がありましたが、直接、関係者からそのような状況ではないとのご指摘をいただきました。伝聞による不適切な表現であったと反省し、削除・訂正させていただきます。
(2006/1/6 18:13更新)