日本郵政公社が、特定郵便局長制度の改革案をまとめました。
 それによると、転勤がなく一生涯、自宅(付近)の特定郵便局に勤務してきた局長の勤務形態を「原則として転勤あり」に改めとしています。また、定年年齢も65歳から60歳へ引き下げ、世襲色の強い任用制度も公募制の徹底を推し進めることにしています。郵政民営化が実施される2007年10月からの導入に向けて、特定郵便長会との交渉に入る予定です。
 特定局舎は現在、局長や親族から公社が借り入れる例が多く、状況に変化に対応する統合や移転が難しく、世襲の温床となっています。改革案では、郵便物の集配業務をしている約3400の特定局の建物を原則として、民営化された郵便会社が買い取ることも想定されています。その上で、これまで普通局と別にしていた指揮命令系統についても一本化します。特定局長への業務の指示に使われていた公社内部の組織「特定郵便局長業務推進連絡会(特推連)」を廃止したうえで、都道府県ごとの統括本部を置き、すべての郵便局を管理します。
 特定郵便局の改革は、郵政事業民営化の中で競争に勝てる強い経営体を作る上では、避けては通れない課題です。
局長給与の成果主義を拡大 郵政公社、特定局改革発表
河北新報社(2006/1/18)
 日本郵政公社の生田正治総裁は18日の定例記者会見で、特定郵便局長の特権廃止など郵便局改革案を正式発表した。
 特定郵便局長の給与の成果主義部分の拡大や、定年を65歳から60歳に段階的に引き下げることを盛り込み、2007年10月の郵政民営化で発足する全国の約2万4700局の郵便局を束ねる郵便局(窓口)会社の経営安定につなげる。
 特定局長がつくる全国特定郵便局長会には改革案を提示しており、本格的な協議に入る。
 特定郵便局は約1万9000局。郵便物を集配している特定郵便局のうち郵政公社が借り入れている郵便局舎については、郵政公社が今後、700億円余りかけて買い取る改革案も盛り込んだ。公社の資産とすることで窓口会社発足後、コンビニなど新たな業務展開の自由度を高めるのが狙い。
 「原則、転勤なし」の特定局長の特権は「原則、転勤あり」に改めるほか、民営化後の全国の郵便局へ指揮系統については、各都道府県ごとに設置する「統括本部」が責任を負う形にする。

参考:日本郵政公社のホームページ