2月9日、県は、鳥インフルエンザ問題で、閉鎖型(ウィンドレス)鶏舎に飼われ、ウィルスへの感染歴が確認されたニワトリを処分する方針を固めました。処分されるのは、7養鶏場の約250万羽。来月上旬から着手され、焼却処分が検討されています。県と業者の処分費用の負担割合などの課題が解決していません。
 これまで、この250万羽の扱いについて県は、1.食肉として処理する、2.鶏油をしぼり、残りは飼料などに加工する化製処理、3.焼却処分、三方式を検討してきました。このうち、食肉処理は消費者の反発が予想され、化製処理には業者が難色を示したため、いずれも難しいと判断しました。
 焼却処分は、受け入れ可能な施設も絞り込まれ、課題だった処分コストも、作業見直しの結果、当初見込みの30億円から10億円まで削減できるめどが立ち、今回の方針決定に至りました。
 ただ、処分費用の負担割合について、養鶏業者側は「処分命令を受けた業者と同じ対応を」と主張しています。県による処分と飼育羽数に応じた補償を求めているが、橋本昌知事は全額負担に難色を示しているとされます。
 密閉型鶏舎の鶏をめぐっては、国が2005年9月に「ウイルスが外部に漏れる可能性が低い」と処分を見送る方針を決定されています。しかし、鶏舎外への移動は処分目的しか認められておらず、新たなニワトリも飼えない状態で、膠着状態が続いています。
茨城の鳥インフルエンザ、新たに250万羽焼却へ
読売新聞(YOMIURI ONLINE 2006年2月10日)
 茨城県は9日、鳥インフルエンザの感染歴を示す抗体が見つかり、監視状態にあった8養鶏場の約250万羽を近く焼却処分する方針を決めた。
 これで、昨年6月、旧水海道市(現・常総市)の養鶏場で初めて感染が確認されて以降、県内で感染が見つかった全40養鶏場の580万羽すべてが処分されることになった。
 250万羽はどれも密閉型鶏舎で飼育され、感染拡大の恐れが低いとされていたが、すべての養鶏場で抗体が見つかったのを受け、県は1月末まで監視状態に置き、移動を制限していた。県は食肉として加工処理することなども検討したが、風評被害を心配する処理業者との交渉が難航し、最終的に焼却処分することを決めた。
 県は、家畜伝染病予防法に基づいて、感染が確認された養鶏場の330万羽の処分を決め、9日までに296万羽を処分した。処分費や補償は国や県が負担することになっているが、今回焼却する250万羽については決まっておらず、県は農林水産省と協議している。