茨城県は、来年度(2006年4月1日)からCIO(情報化統括責任者)制度の導入を決め、2月15日から3月7日までの期間、任期付き職員の公募を始めました。
 CIOは、IT調達の適正化や現行業務・システムの見直しを全庁的に進め、ITを活用した業務改革を推進する目的で設置します。また、格差のない情報通信環境の実現も大きな役割となります。今回、募集するCIOは任期3年、年齢は40歳から60歳、ITに関する業務経験が10年以上あり、ITに関する専門的な知識を有すること、民間企業において管理職などのマネジメント業務を10年以上経験していることなどが、採用の条件となっています。庁内での処遇は部長級となり、年収は1027万円、退職時には退職金も支給されます。退職後に民間企業などへの再就職に制限はありません。
 CIOの導入については、井手よしひろ県議が2005年4月の総務企画常任委員会で提案。その後、県のIT推進協議会などの提言もあり、来年度の制度創設に至りました。能力の高い人材が募集に応じていただけることを、大いに期待したいと思います。
参考:情報化統括責任者の募集について(茨城県のHPから)
井手よしひろ県議の「CIO制度導入の提案」
平成17年総務企画常任委員会(2005.03.04)
◯井手委員 具体的な改善策として、今、国を挙げて進んでいるのは、これは人の面から、いわゆる電子入札、要するに、IT関連の労務とか機器とか、そういったものの全体をしっかりと把握していこうという流れがございます。それは、統括的情報管理者、英語で言うとCIOと言われるそうでございますけれども、チーフ・インフォメーション・オフィサー、日本語では情報統括責任者、最高情報責任者、または情報統括役員などと訳される職能を持った方が、民間企業だけではなくて、国ではもうe−JAPAN計画の中で具体的に動き始めているというふうに伺っております。
 また、都道府県においても、これは直近の数字かどうかはわかりませんけれども、昨年末に、ある新聞の特集したところによりますと、平成16年4月の段階で、47都道府県中24県、3,123自治体中1,369市町村、ですから、都道府県のレベルでは約半分、市町村のレベルでは約3分の1、こういった形で、いわゆる電子機器であるとか、そのシステムであるとか、そういったものの入札や、また、その保守点検、そういったものの統括的に責任を持つ役職の方が配置され、それも副知事クラスとか、局長クラスとか、ある程度、予算とか、いわゆる行政の執行に責任のある立場で任命されている人がいるというふうなことが言われております。
 そういった意味で、茨城県においては、いわゆるCIO、チーフ・インフォメーション・オフィサー、こういったものの導入をどういふうに考えているのか、また、検討しているのかしていないか、これはなかなかほかの方ではお答えづらいと思いますので、総務部長の方にお伺いをしたいと思います。
◯末宗総務部長 委員御指摘のCIO制度を導入している県は幾つかございますけれども、調べてみますと、とりわけ民間の方を登用している県で、ノウハウのある方というのでしょうか、1〜2県あるようですけれども、そこでかなりチェックもできているようにも聞いております。
 ただ、行政部内の職員を充てている場合には、そこまで成果が上がっているのかどうかというのはまだ私どももよくわかりませんけれども、確かにきのうの森田委員の御質問にもありましたように、今、IT関係の維持管理なり、あるいは入札なりについては私どもも問題意識を持っております。そういう意味では、先ほどの条例というのも効果を奏するものだと思っておりますし、人的な意味でのチェックというのも大事な視点だろうと思っております。
 現在、茨城県ではそのような人はおりませんけれども、ある意味、行革にも資するという側面もございますので、今度、新しい行革大綱を来年策定することになっております。その中で、こういったIT関係の維持管理費の経費節減という側面も含めて、人的な面でそういう人を置いた方がいいのかどうかを含めて、検討していきたいと考えております。
◯井手委員 私もちょっと資料をいろいろ探してみましたけれども、佐賀県であるとか、長崎県であるとか、かなりの効果を上げている。何億円という規模でいわゆる行政経費を削減しているというニュースも載っておりましたし、また、きのう、インターネットで探してみましたら、福井県では、情報通信技術推進要綱というのをつくりまして、その中の第3条に具体的に最高情報統括責任者というのを設けまして、全庁的な情報化施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、最高情報統括者、以下CIOを置く。2、CIOは統括企画監の職にある者をもって充てる。CIOは情報システムネットワーク、情報資産及び情報セキュリティーの全庁的な施策の推進についてすべての責任と権限を有するというように、非常に明確に要綱までつくって最高情報統括監、統括責任者を位置づけております。
 そういったことを参考にしていただいて、成功事例もあるでしょうし、また、副知事さんをこれを充てているところもあるようですけれども、そういう職を充てたからといって効果がある職能ではないと思いますので、御研究をお願いをしたいというふうに思います。