堀江メール:民主党の永田議員、辞職の意向伝える
毎日新聞(MSN毎日インタラクティブ 2006/2/23)
 民主党の永田寿康衆院議員がライブドア前社長の堀江貴文被告から武部勤・自民党幹事長の二男への「送金」メール問題をめぐり、議員辞職の考えを同党に伝えていることが分かった。複数の同党国対幹部が2月23日、明らかにした。
 永田氏は2月16日の衆院予算委員会で、堀江被告が武部幹事長の二男への3000万円の送金をメールで支持したと指摘したと追及したが、メールの信ぴょう性が疑われるなど自らの質問への批判が強まり、議員辞職を検討しているとみられる。(以下省略)

永田寿康議員:お昼のTVニュースからのキャプチャー 堀江貴文被告から武部勤・自民党幹事長の二男への「送金」メール問題で、民主党の永田寿康衆院議員は、メール自体が偽物であった責任を認め、議員辞職を民主党に申し出たようです。永田議員の爆弾発言から1週間、事態はあっけない結末を迎えようとしています。
 この問題は、二つの意味で私たちに教訓を残してくれたと思います。その第一は、国会議員はもう一度、何のために政治家として仕事をしているかとの目的を再確認する必要があるということです。永田議員のこれまでの政治姿勢を見てみると、「国民のための政治」というよりも「自らのパフォーマンスのための政治」という姿が垣間見られます。今回のメールが、本当に事件性があると判断したならば、何よりも先に捜査機関との連携を図るべきです。現在、東京地検はメンツを掛けてライブドアの捜査に当たっています。もし、永田議員が自らの手柄にとらわれず、地検にこうした資料を提供すれば、捜査は一挙に進むことでしょう(このメール情報が本物であったならばとの条件付きですが)。その上で、永田議員は、粛々と親族である武部幹事長の政治責任を追及すれば、小泉内閣はあっという間に瓦解したのではないでしょうか。そして、このようなプロセスの方が国民の利益にかなった手法だと、私は考えます。この1週間、メール問題で国会は振り回されました。耐震偽装やBSE問題など大切な問題の議論が上滑りしました。格差の拡大など小泉改革の是非を問う、絶好の機会であった国会審議の出鼻をくじいた責任は重く、取り返しがつきません。
 もう一つは、民主党という政党の体質です。この5年半で、民主党関係者30人が逮捕されています。「民主党執行部は緊急役員会を開いて鳩山由紀夫幹事長に対応を一任、永田氏の慰留に努めている」と朝日新聞(2006/2/23 12:30)はインターネットで伝えられていますが、「ライブドア関連の投資事業貴組合に自民党議員が関連している」と公式の場で発言しておきながら、その決着を付けていないのが鳩山幹事長その人です。こうした無責任の連鎖が現在の民主党には起きています。
 そもそも、民主党の国会議員候補の選び方に、大きな問題があると思います。1ヶ月や2ヶ月という短期間に、自薦で手を挙げる候補者を募り、国会議員として送り出す民主党の方式は、民主的な姿のように見えても、実際はその人物の本質を見極められずに、人間として資質に欠く候補者を擁立してしまうという悪循環を作ってしまっているのではないでしょうか。「出たい人より、出したい人を」との言葉をもう一度かみしめる必要があります。
 政党として所属する議員をしっかりと指導・育成する責任が民主党にはあります。その擁立の過程から見直しをしないと、政党としての信頼感は高まらないと思います。

(2009/1/3更新)
 永田寿康・元民主党衆院議員が、北九州市のマンションから飛び降り亡くなりました。マスコミ報道によると、08年11月からこのマンション近くの病院で精神疾患の治療に当たっていたということです。(合掌)
偽メール事件で辞職の永田元議員が自殺、遺書残し飛び降り
読売新聞(2009/1/3)
 (2009年1月)3日午後6時25分頃、北九州市八幡西区里中3のマンション(11階建て)の駐車場で、偽メール問題で2006年に議員辞職した永田寿康・元民主党衆院議員(39)が倒れているのを住民が見つけた。
病院に搬送されたが、死亡が確認された。
 福岡県警八幡西署によると、10階と11階の間の階段の踊り場でノートに書いた遺書が見つかった。同署は飛び降り自殺したとみて調べている。永田元議員は昨年11月から、マンション近くの病院に精神疾患で入院していたという。
 永田元議員は2006年2月、衆院予算委員会で、当時のライブドア社長が、自民党幹部の家族への送金を指示したとする電子メールを取り上げたが、後にメールが偽造と判明し、同年4月に議員辞職した。
 永田元議員は2000年6月の衆院選で、千葉2区から初当選。以後、2回当選し、民主党調査局次長などを務めた。