ほふり 「ほふり」という言葉をご存知ですか。株取引をされている方には、なじみの言葉なのかもしれませんが、私は最近、テレビCMで初めて知りました。「ほふり」とは、証券保管振替制度のことです。この制度は、証券流通市場の円滑な運営を図るため、株券等有価証券の保管・受渡しを効率化、合理化することを目的として創設されました。有価証券を保管振替機関に集中保管し、有価証券の受渡しを券面そのものの受け渡しに代えて、保管振替機関に設けられた口座間の振替によって処理します。また、有価証券の所有者は、有価証券を保管振替機関に預託したままで権利を行使することができようになっています。
 つまり、株の取引に現物の株券の受け渡しの必要がないわけです。
 現在、流通する株の7割以上がこの「ほふり」を利用しているといわれています。
 しかし、ここにきて、考えてもみなかった事件が発生しました。ライブドア事件です。昨日(2月22日)、ライブドア社本体の粉飾決算の容疑で、堀江前社長を含む4人が再逮捕され、現代表取締役の熊谷氏も逮捕されるに至って、ライブドアの上場廃止が現実のものとなってきました。
 ライブドアの上場が廃止されると、その株券をいくら価値がないもといっても、株主に変換することになるようです。すると、発行積み株券のうち、印刷していない分を印刷し、株主に返還する手続きが必要になります。その印刷や、作業代に5億円もの費用が掛かるとされています。さらに、その作業に1年単位の時間が掛かるそうです。
 ライブドアが残した問題は、様々なところに深刻な影響を残すようです。

[ライブドア]どうする株券確保 上場廃止なら引き渡し義務
毎日新聞(livedoor-news2006/2/23)
 証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)事件でライブドア株の上場廃止が秒読みとなり、株券の印刷が大きな課題に浮上してきた。ライブドアの発行済み株式10億5000万株のうち、株券が印刷済みの現物株は約1億〜3億株ほどしかないとみられ、大半は新たに印刷して株主に渡さなければならないためだ。印刷費は1枚200円以上かかり、ライブドアは4億円以上の出費を迫られるとの試算もある。通常の企業は売買単位が1000株だが、ライブドアは1株のため、必要な現物株の枚数が膨れ上がる。同社は異例の100万株券の発行も迫られそうだ。
 上場企業の株券は通常、証券保管振替機構(ほふり)が株主と株券を管理し、投資家は現物株のやり取りをしない。ほふりの手元には、発行済み株式の3割ほどの現物株があるだけで、一部を個人投資家などが保有する以外は、発行会社が引き取って盗難などに備えて溶融処理している。
 上場廃止となれば、ほふりの管理はなくなり、商法の規定で発行企業は発行済み株券を株主に渡さなければならない。ライブドアは社内規定で1、10、100、1000、1万、10万、100万の7種類の株券を発行できるが、市場に出回っているのは1株券が中心で、枚数も1億〜3億株程度とみられる。発行済み株式7億株余りが不足する計算のため、新たに印刷する必要がある。
 偽造防止のため精巧な技術が求められる株券の印刷は1枚200〜500円が相場だ。100万株券など額面が大きい株券を交えても、印刷代は「約4億〜5億円」(大手信託銀行)とされ、原則的にライブドアが負担する。
 株券が確保できても返却に時間がかかる。証券会社を通じて投資家へ返却される株券は、紛失などに備えマイクロフィルムによる撮影などが必要。2万人のライブドア株主を抱えるネット証券大手は「1日最大100件しか処理できず、全株主に渡し終わるまで1年かかる」とみており、頭を抱えている。