政府が食育推進基本計画を策定
昨年(2005年)、食育の理念と方向性を明示した食育基本法が成立しました。基本法に基づき、今年度から5年間の具体的な行動計画である「食育推進基本計画」が定められました。その中では、運動の指標となる数値目標が9分野にわたって設定されています。
例えば、朝食を抜く子どもの割合の減少については、「ほとんど食べない」とする小学生の割合を、4%(2000年)からゼロにすると明確に目標が掲げられました。
生活習慣病の予防については、内臓脂肪による肥満や高血糖、高血圧などの状態が発症リスクを高めることから、こうした内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)の考え方を知る国民の割合を80%以上に高めることを目指します。
食育の“生きた教材”として重要な学校給食については、地元の農産物を使用する割合を21%から30%以上(食材ベース)に引き上げ、地域の自然や文化への理解を深める一方、地産地消の取り組みを進めます。
このほか、(1)食育に関心を持つ人の増加、(2)「食事バランスガイド」の活用、(3)食育を推進するボランティアの増加、(4)農作業の体験ができる教育ファームの拡大、(5)食の安全に関する基礎知識の普及――などが定められています。
さらに、妊産婦への栄養指導の充実や、栄養教諭を中心とした学校、家庭、地域での連携・協力の推進、専門知識を持つ栄養士や調理師などの養成や活用――と、公明党の主張を反映した具体策が幅広く盛り込まれています。
国のこうした基本計画を踏まえ、各自治体にも推進計画の策定を求めており、5年後には全都道府県と半数以上の市町村で策定、実施することを目指しています。
公明党は、食育基本法の成立に先導的な役割を果たしました。2002年8月に発表した政策提言で、子どもの食を通じた育成の重要性と取り組みの強化を主張。浜四津敏子代表代行が、2003年9月の参院本会議の代表質問で食育の推進を強く訴え、小泉純一郎首相から前向きな答弁がありました。
2003年1月には、党女性委員会「食の安全対策プロジェクトチーム」を立ち上げ、食育普及のセミナーを積極的に開催。各地域でも地方議員を中心に食育の取り組みが大きく広がりつつあります。
現在の“食”をめぐる状況は、各世代でさまざまな課題を抱えています。朝食を抜く子どもが増え、肥満の低年齢化、生活習慣病につながる中高年の肥満、高齢者の低栄養化なども指摘されています。また、妊婦の過度なダイエットによる低体重児の増加も深刻な問題です。
食育は、赤ちゃんからお年寄りまで、例外なくすべての人がかかわる生活の基本です。飽食、孤食の時代とも言われますが、バランス良く食べる、家族揃って食卓を囲むということが、心身の健康につながり、さまざまな社会問題の克服にも通じると考えます。
身近で地味な問題のようですが、すべての人に関係のある大きなテーマとの認識を持ちながら、各家庭、学校、地域、自治体などで知恵を出し合い、全国で食育運動の大きな流れを作ることが大事だと思います。
<参考>食育推進のホームページ(内閣府)
昨年(2005年)、食育の理念と方向性を明示した食育基本法が成立しました。基本法に基づき、今年度から5年間の具体的な行動計画である「食育推進基本計画」が定められました。その中では、運動の指標となる数値目標が9分野にわたって設定されています。
例えば、朝食を抜く子どもの割合の減少については、「ほとんど食べない」とする小学生の割合を、4%(2000年)からゼロにすると明確に目標が掲げられました。
生活習慣病の予防については、内臓脂肪による肥満や高血糖、高血圧などの状態が発症リスクを高めることから、こうした内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)の考え方を知る国民の割合を80%以上に高めることを目指します。
食育の“生きた教材”として重要な学校給食については、地元の農産物を使用する割合を21%から30%以上(食材ベース)に引き上げ、地域の自然や文化への理解を深める一方、地産地消の取り組みを進めます。
このほか、(1)食育に関心を持つ人の増加、(2)「食事バランスガイド」の活用、(3)食育を推進するボランティアの増加、(4)農作業の体験ができる教育ファームの拡大、(5)食の安全に関する基礎知識の普及――などが定められています。
さらに、妊産婦への栄養指導の充実や、栄養教諭を中心とした学校、家庭、地域での連携・協力の推進、専門知識を持つ栄養士や調理師などの養成や活用――と、公明党の主張を反映した具体策が幅広く盛り込まれています。
国のこうした基本計画を踏まえ、各自治体にも推進計画の策定を求めており、5年後には全都道府県と半数以上の市町村で策定、実施することを目指しています。
公明党は、食育基本法の成立に先導的な役割を果たしました。2002年8月に発表した政策提言で、子どもの食を通じた育成の重要性と取り組みの強化を主張。浜四津敏子代表代行が、2003年9月の参院本会議の代表質問で食育の推進を強く訴え、小泉純一郎首相から前向きな答弁がありました。
2003年1月には、党女性委員会「食の安全対策プロジェクトチーム」を立ち上げ、食育普及のセミナーを積極的に開催。各地域でも地方議員を中心に食育の取り組みが大きく広がりつつあります。
現在の“食”をめぐる状況は、各世代でさまざまな課題を抱えています。朝食を抜く子どもが増え、肥満の低年齢化、生活習慣病につながる中高年の肥満、高齢者の低栄養化なども指摘されています。また、妊婦の過度なダイエットによる低体重児の増加も深刻な問題です。
食育は、赤ちゃんからお年寄りまで、例外なくすべての人がかかわる生活の基本です。飽食、孤食の時代とも言われますが、バランス良く食べる、家族揃って食卓を囲むということが、心身の健康につながり、さまざまな社会問題の克服にも通じると考えます。
身近で地味な問題のようですが、すべての人に関係のある大きなテーマとの認識を持ちながら、各家庭、学校、地域、自治体などで知恵を出し合い、全国で食育運動の大きな流れを作ることが大事だと思います。
<参考>食育推進のホームページ(内閣府)
メタボリックシンドロームとは
生活習慣病とよばれている疾病には、「肥満症」、「高血圧」、「糖尿病」、「高脂血症」などがあります。これらの疾患は個々の原因で発症するというよりも、肥満、特に内臓に脂肪が蓄積した肥満が犯人であると考えられています。内臓脂肪蓄積により、さまざまな病気が引き起こされた状態を『メタボリックシンドローム』とよびます。
体のどの部分に脂肪がつくかによって、肥満は2つのタイプに分かれます。下腹部、腰のまわり、太もも、おしりのまわりの皮下に脂肪が蓄積するタイプを「皮下脂肪型肥満」、内臓のまわりに脂肪が蓄積するタイプを「内臓脂肪型肥満」とよびます。
この2つのタイプのうち、「皮下脂肪型肥満」は外見から明らかにわかりやすいですが、「内臓脂肪型肥満」は外見ではわからないことがあります。内臓脂肪型肥満を簡単に調べる方法として、ウエスト径(へそまわり径)が男性では85cm以上、女性では90cm以上であれば、内臓脂肪型肥満が疑われます。これは肥満というより肥満症と考えた方が良いかもしれません。
内臓脂肪と皮下脂肪では、エネルギーの使われ方も違います。
エネルギーの備蓄を預金に例えると、内臓脂肪は日々の生活のための普通預金、皮下脂肪はいざというときに備える定期預金や積立預金といえます。つまり、内臓脂肪は比較的容易にたまるものの、容易に燃焼することができるので、日々の食事や運動を心がければ減らすことは十分に可能です。
メタボリックシンドロームを防ぐためには、内臓脂肪がたまりやすい食事を避けるのが一番です。高脂肪食(脂っこいもの)、高ショ糖食(甘いもの)、高カロリー食(カロリーが高いもの、食べ過ぎ)のとり過ぎに注意し、低繊維食(緑黄色野菜の不足)に気をつける必要があります。また、濃い味付けは塩分を摂りすぎるだけでなく、食欲をそそり、食べ過ぎを招きます。
バランスの良い食事と腹八分目。これがメタボリックシンドロームにならない秘訣です。
「百薬の長」とも呼ばれるアルコールですが、脂肪に変わりやすいのでとり過ぎは禁物です。また、おつまみには高カロリーのものが多いので、おつまみの品を工夫したり、食べ過ぎに注意しましょう。
体のどの部分に脂肪がつくかによって、肥満は2つのタイプに分かれます。下腹部、腰のまわり、太もも、おしりのまわりの皮下に脂肪が蓄積するタイプを「皮下脂肪型肥満」、内臓のまわりに脂肪が蓄積するタイプを「内臓脂肪型肥満」とよびます。
この2つのタイプのうち、「皮下脂肪型肥満」は外見から明らかにわかりやすいですが、「内臓脂肪型肥満」は外見ではわからないことがあります。内臓脂肪型肥満を簡単に調べる方法として、ウエスト径(へそまわり径)が男性では85cm以上、女性では90cm以上であれば、内臓脂肪型肥満が疑われます。これは肥満というより肥満症と考えた方が良いかもしれません。
内臓脂肪と皮下脂肪では、エネルギーの使われ方も違います。
エネルギーの備蓄を預金に例えると、内臓脂肪は日々の生活のための普通預金、皮下脂肪はいざというときに備える定期預金や積立預金といえます。つまり、内臓脂肪は比較的容易にたまるものの、容易に燃焼することができるので、日々の食事や運動を心がければ減らすことは十分に可能です。
メタボリックシンドロームを防ぐためには、内臓脂肪がたまりやすい食事を避けるのが一番です。高脂肪食(脂っこいもの)、高ショ糖食(甘いもの)、高カロリー食(カロリーが高いもの、食べ過ぎ)のとり過ぎに注意し、低繊維食(緑黄色野菜の不足)に気をつける必要があります。また、濃い味付けは塩分を摂りすぎるだけでなく、食欲をそそり、食べ過ぎを招きます。
バランスの良い食事と腹八分目。これがメタボリックシンドロームにならない秘訣です。
「百薬の長」とも呼ばれるアルコールですが、脂肪に変わりやすいのでとり過ぎは禁物です。また、おつまみには高カロリーのものが多いので、おつまみの品を工夫したり、食べ過ぎに注意しましょう。