KDDI茨城衛星通信センター
 日立市十王町のランドマーク「パラボラアンテナ」が、今年(2006年)限りで運用を終えることになりました。電気通信大手のKDDIが、現在、高萩市と山口市の2カ所にある衛星通信用の施設を、12月末までに山口に全面移行する方針を固めたためです。
 高萩、日立両市にまたがる18万平方メートルの台地に立つKDDI茨城衛星通信センターは1963年11月、茨城衛星通信所として開設されました。日本で最初の衛星通信地球局です。初めてのアメリカからの衛星テレビ中継で、ケネディ大統領暗殺の歴史的なニュースを受信したことで有名です。
 直径20メートルの初代アンテナは既に撤去されていますが、敷地内には、直径32メートルの巨大なアンテナ2面を含む大小13面のアンテナを有し、アメリカ、オーストラリアなど太平洋向けの電話、テレビ、データ通信を行っています。
 しかし、今やデータ通信の主役は、衛星通信から海底光ケーブルの移行したため、日立の施設を山口に集約することになりました。日立市の施設では地理的にインド洋向けの通信をカバーできないことも、廃止の理由の一つです。
 日立のパラボラは桜の名所として市民に親しまれ、年間1〜2万人の施設見学者や観光客が訪れています。巨大なパラボラアンテナは街の景観を彩るシンボル的な存在で、敷地内広場は300本のソメイヨシノが咲き誇っています。4月17日、満開の桜を前景にパラボラの雄姿をカメラに納めてきました。
参考:探検発見 : KDDI茨城衛星通信センター