平成の大合併が完了し、茨城県の市町村数は84市町村から、44市町村に収斂されました。合併後の県内市町村の財政力について、県市町村課は、2004年決算に基づいて財政力指数、経常収支率を公表しました。
 自治体の独自財源力のバロメーターが財政力指数です。財政力指数は、地方公共団体の財政基盤の強弱を示す指数で、標準的な行政活動に必要な財源をどれくらい自力で調達できるかを表しており、普通交付税の算定基礎となる基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の3ヶ年平均値をいいます。財政力指数が1を超える自治体は、普通交付税が国から交付されないため「不交付団体」と呼ばれます。
 茨城県で、財政力指数が飛び抜けて高いのは東海村です。県内平均0.66に対し、1.634となっています。次いで神栖市(1.342)、美浦村(1.068)、つくば市(1.005)までが、財政力指数が1を超えています。反対に、低いのは大子町(0.336)、城里町(0.336)、常陸太田市(0.377)、行方市(0.388)、河内町(0.403)の順になっています。
 市町村の財政力を左右するのは、固定資産税の大小とされます。一般的に言って、大規模な工場、事業所がある自治体は、財政力指数も高くなります。逆に、過疎地域や人口規模の小さな自治体は財政基盤もぜい弱になる傾向があります。

 一方、市町村財政の健康状態を示す指標が経常収支比率です。人件費や扶助費(社会保障費など)、公債費(市町村債の返済費)などの義務的経費の支払いに一般財源(市町村税、地方交付税など)がどの程度使われているかを示す割合です。義務的(経常的)経費を分子に、一般財源を分母にして求められます。数値が高いほど財政状況は硬直化しており、投資的な仕事に予算を回す余裕がないことになります。
 経常収支比率が最も低いのも、東海村(62.2%)です。次いで神栖市(76.9%)、茨城町(82.5%)、八千代町(83.3%)、美浦村(84.0%)と続きます。逆に、最も財政の硬直化が進んでいるのは利根町(98.8%)です。次いで、下妻市(97.4%)、常陸大宮市(95.7%)、龍ケ崎市(95.1%)、常陸太田市(94.8%)の順になっています。県内全市町村の平均は89.4%で、全国平均(90.5%)をわずかに下回っています。2000年当時の県内平均は81.1%で、経常収支比率は地方交付税の削減などに伴い、硬直化が急激に進んでいます。