日立市のかみね公園の蒸気機関車(通称ハチロク)は、青森県弘前市のNPO法人「五能線活性化倶楽部」に譲渡されることが決定しています。このほど、NPOの事務局長らが日立市を訪れ、移送方法などについて話し合いを持ちました。
 この蒸気機関車は8620型とよばれ、大正13年10月に日立製作所笠戸工場で製造されました。姫路機関区を皮切りに常陸大子や佐倉、平などの機関区をへて昭和44年に水戸機関区に配置され、駅構内の入れ替え機関車を最後に、45年3月に使命を終えました。
神峰公園に展示されている蒸気機関車 その後、製造した日立製作所の縁で、旧国鉄から日立市が借り受ける形でかみね公園に展示され、多くの市民に親しまれてきました。
 しかし、35年間にわたって風雨にさらされ老朽化が目立ってきたことから、日立市は解体撤去を決定。今年3月には現所有者のJR東日本から譲渡を受けたうえで、解体業者とも工事契約を締結していました。
 ところが、JR五能線での蒸気機関車復活に夢をかける「五能線活性化倶楽部」は、かつて五能線を走った機関車と同型で、保存状態も比較的良いことなどから、日立市へ解体工事のストップと無償譲渡を申し入れしました。この申し入れを受けて、日立市は急遽、解体工事中止しNPOへの譲渡を決定しました。
 青森県では深浦町などが出資して設立された第三セクター会社「ふかうら開発」が運営するレジャー施設「ウエスパ椿山」敷地内で展示公開されることになっています。
 ハチロクは、本体の長さ約10メートル、付嘱の炭水車が約5.6メートルもあります。幅が約2.5メートル、高さ3.8メートル。重さは48.9トンの機関車と大変大きなものだけに、移送には大変な労力と費用がかかります。輸送費用も約600万円かかるとみられ、NPOはホームページで全国に支援を呼びかけています。
 計画では、機関車を3つに切断し青森に移送することになっています。7月2、3の両日に機関車の分断作業、4日に大型トレーラーに積み込み、5日から7日で移動し、ウエスパ椿山に設置する予定です。
参考:NPO法人「五能線活性化倶楽部」のホームページ
参考:ウエスパ椿山のホームページ

(2006/6/27更新)
 6月26日より、かみね公園での分解工事が始まっていますが、搬送の予定が変更になってます。
かみね公園のハチロク移送日程
6月26日〜7月7日 分解工事 日立市かみね公園
7月10日〜11日 クレーン荷揚げ作業 日立市かみね公園
7月11日〜14日 深浦町へ向けて輸送
7月14日〜20日 深浦町で設置作業及び組み立て工事
7月23日 公開(深浦町 ウェスパ椿山)
五能線活性化倶楽部のホームページより(PDFファイル)