日立港振興協会の平成18年度通常総会 5月31日、日立港振興協会の平成18年度通常総会が日立市内のホテルで開催され、顧問を務める井手よしひろ県議も出席しました。
 日立港は、昭和34年に第一船が入港。昭和42年に国の重要港湾に指定され、関税法による開港指定がなされました。取扱貨物量は、昭和42年当時は年間91万トンでしたが、その後順調に増加し、平成12年には589万トンに達しました。その後、景気の動向や取扱貨物の変化、隣接する常陸那珂港の開港などにより微減に転じ、平成16年は505万4000トンとなっています。
日立港の参考写真 取扱貨物は、平成元年ごろは木材チップ、丸太木材が主力でしたが、現在は生乳、石炭、ろう石等が増えてベンツ輸入量も年間約3万台となっています。
 また、以前は一般住民が岸壁、野積場への出入り可能であったため、岸壁に釣り客が溢れ、荷役作業に支障を来すこともありましたが、昨年度からソーラス条約による保安警備の導入により状況は一変し、外航船が入港する場合は、立哨警備が行われ、部外者の出入りは禁止されるようになりました。
 平成18年度の総会では、7月より日立〜釧路の定期航路に新型RORO船2隻が投入されることと、日立〜北九州(日明)航路の新規開設が報告されました。
参考:川崎近海汽船(株)のホームページ
【日立〜釧路航路に新型RORO船2隻を投入】
 1993年7月就航の現「ほくれん丸」は、ホクレン農業協同組合連合会(北海道)による生乳道外移出量の増加に伴う安定輸送を担う輸送手段として導入された最新鋭高速RORO船であり、その投入により、「釧路港〜日立港間を20時間で結ぶ、安定的かつコスト競争力」が実現されました。
 更に、北海道から首都圏への3日目配送をより安定したものにするために、その4年後の1997年6月に「第二ほくれん丸」が就航、2隻体制による日曜日を含むデイリーサービス体制が確立しました。
 都心部の交通渋滞を避け、尚かつ北海道〜関東の海上距離が最短という日立港の利点を最大限に発揮できるこの海上ルートは、道東〜首都圏を結ぶ海の大動脈として、今日まで発展してきました。
 今回、この定期航路を運営する川崎近海汽船(株)は、7月より新造船2隻を同時に投入することで、尚一層の釧路港〜日立港航路の飛躍発展を図ることになりました。
 新しい船の全長は173mで、現在の「ほくれん丸」の154mに比べ19m長く、総トン数は約14,000トンとなり約2倍の大きさになります。12mシャーシのトレーラ130台を一度に運ぶことができます。
【日立〜北九州(日明)航路の新規開設】
 川崎近海汽船(株)は、1985年から三菱化学物流との共同運航で、72TEUの内航コンテナ船を北九州〜日立間で定期的なサーボスを行ってきました。
 今年7月から物流の近代化、スピード化に対応すべく、RORO化による多頻度のサービスに移行することになり、日立港と北九州港日明埠頭を結ぶRORO定期航路が実現することになりました。
 新航路の決定にあたっては、日立港は東京港より約100マイルほど遠距離に位置することになりますが、発展を続けている茨城県、栃木県、群馬県にまたがる北関東内陸工業地城に至近の港であり、かつ、北関東自動車道、圏央道の早期全面開通により日立、ひたちなかへのアクセスが飛躍的に改善される利点に加え、東京湾内の港へのアクセスにおける交通渋滞を回避できることや、さまざまな交通規制のある都心に比べ、トレーラー、重車両などの走行についても競争力が見出せる事などを考慮し、「日立港」が候補として選択されました。