茨城県が少子化対策のために本格的に結婚相談事業を展開
参考写真 6月3日、茨城県の少子化対策の目玉である「いばらき出会いサポートセンター」の開所式が、水戸市の三の丸庁舎で行われました。茨城県と県労働者福祉協議会は、結婚の意思のある男女を登録し、会員に結婚相手を紹介するほか、パーティーなど出会いの場提供することにしています。
 「いばらき出会いサポートセンター」は、1997年から県労働者福祉協議会が運営してきた「いばらき結婚相談センター」を強化したものです。相談員はこれまで、水戸に3人、日立、鹿嶋、牛久、筑西に1人ずつ配置されていましたが、今後は水戸以外の4カ所で1人ずつ増し、11名体制となります。県は、初年度約2400万円を予算化しました。
 現在登録されている会員数は、786人(男性528人、女性258人)です。当面、倍の1500名体制を目標としています。
 更に、市町ごとに出会いの相談や仲介役を務める「マリッジサポーター」の育成も行います。
 「いばらき出会いサポートセンター」を利用するためには、登録費用が1万円(3年間有効)かかりますが、民間の結婚紹介所のような多額の成功報酬などは一切必要としません。なお、登録は茨城県内にお住まいか又は、お勤めの方で現在独身の方が条件となります。問い合わせは、以下の通りです。
いばらき出会い
サポートセンター本部
〒310-0011
水戸市三の丸1−5−38
茨城県三の丸庁舎3F
029-224-8888
県北センター〒317-0076
日立市会瀬町4−9−13福祉プラザ
0294-35-4122
県南センター〒300-1234
牛久市中央1−16−1ラウェル牛久内
0298-30-7502
県西センター〒308-0814
筑西市二木成1451−2
0296-24-1122
鹿行センター〒311-0033
鹿嶋市鉢形台2−7−1ラウェル鹿嶋内
0299-90-8888
県「出会いサポートセンター」開所
茨城新聞(茨城新聞ニュース2006/06/04)
目標 3年で1000組成婚
 少子化対策の一環で、若者の結婚支援へ向け県と県労働者福祉協議会が運営する「いばらき出会いサポートセンター」が三日、水戸市三の丸の県三の丸庁舎内にオープンした。二〇〇五年の本県の合計特殊出生率(女性が生涯で産む子供数の推定値)が初めて全国平均(一・二五)を下回った“一・二四ショック”を吹き飛ばそうと、同センター運営委員長に就任した県少子化対策県民会議の幡谷浩史議長は「目標は三年間で千組の結婚成立」と、気勢を上げた。
出生率“1.24ショック” 吹き飛ばしへ意気込み
 いばらき出会いサポートセンターは、少子化の要因である未婚化・晩婚化対策として、県が労働者福祉協議会結婚相談センターの組織・ノウハウを活用する形で開設。男女の登録会員を募り、パートナー紹介やパーティーなどによる出会いの場提供を行う。
 各種団体の代表らで設置した運営委員会が、幅広い観点からセンターの事業、企画をアドバイスする。地域で男女の仲介役となる「マリッジサポーター」も養成する。
 三日は、橋本昌知事と県労働者福祉協議会の石井武会長らが出席して県三の丸庁舎三階のセンターで開所式を行った後、水戸市内のホテルに協力企業・団体の関係者らを集めて記念セレモニーを開催。
 知事は「行政がここまでやるのかという声もあるが、私はやるべきだと思う。本県の活力を維持するため、県民挙げて若者の結婚支援に取り組まなければならない」、石井会長は「県の決断は時宜を得ている。会員増へ協力を願う」とあいさつした。
 〇五年の本県の合計特殊出生率一・二四は、一日発表の厚生労働省の人口動態統計で明らかになった。前年を〇・〇九ポイント下回り、五年連続の過去最低。出生数もひのえうまだった一九六六年より千六百十二人少ない二万四千二百四十四人で、過去最少となった。
 本県の合計特殊出生率は七六年から二ポイント台を切り、全国平均は上回りながらも差は年々縮まる傾向をたどり、ついに全国を下回った。県はこの事態に大きなショックを受け、急きょ詳しい要因分析に乗り出している。
 県少子化対策室によると、都道府県レベルで結婚支援施設の運営に乗り出すのは本県が初めてで、センターは少子化対策に決め手を欠く行政の試金石となりそう。記念セレモニーに出席した若者の結婚事情に詳しい日本青年館結婚相談所の板本洋子所長は「結婚支援は行政にとって人口対策の延長線上の問題。これからは官民挙げて、今の若者が求める結婚スタイルを支援していくべきだ」と話した。
 協力企業・団体の関係者やボランティアらが詰め掛けた記念セレモニー会場は、若者の「結婚促進」に向け熱気に満たされた。センターの船出を祝い、乾杯の音頭を取った幡谷運営委員長は言い放った。「一・二四というのは大変な状況だ。千組の成婚を目標とする意気込みで取り組みたい」。(渡辺勝)