地方交付税は、都道府県、市町村などの地方自治体に、国から交付される財源です。地方公共団体の運営の自主性を損なうことなく、財源の均衡化を図り、地方行政の計画的な運営を保障することを目的としています。
参考写真 全国の地方公共団体は、基礎的、広域的な行政機関としてその規模、機能、能力、運営の内容について、一定以上の均質的な水準が要求されます。しかし、地方公共団体の税収入は、地域の地理的、経済的、社会的環境によって著しく偏在しているのが実態でです。そのため、税収入が不足している自治体に、国が地方交付税を交付することにより、税収入(財源)の偏在を是正し、地方公共団体間の不均衡や過不足を調整し、均衡化を図っています。反対に税収が豊かな自治体には、地方交付税は交付されません。(不交付団体:例えば東京都)
 小泉首相が進めた構造改革の中で、地方自治体の財政は「三位一体」改革の名の下に、大幅な地方交付税の削減が断行されました。
 その結果、地方自治体は、慢性的な財源不足や、本来自主的な判断で使用できるはずの地方交付税に国の関与が強くなるなどの深刻な問題が出ています。
地方6団体は「地方共有税」を提唱
 そこで、全国知事会など地方6団体は6月7日、地方交付税の「地方共有税」化など7の提言を盛り込んだ意見書を内閣および国会に提出しました。意見を7月前半にも政府がとりまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に反映すべきとしています。
 地方共有税は、国に依存せず必要な財源を地方で融通し合うことを制度上明確にするのが目的です。
 原資となる国税の一定割合(法定率)は、交付税のように一般会計を通さず、新たなに設ける特別会計へ直接繰り入れて自治体へ配分するとしています。法定率を3〜5年に一度見直し、財政状況による国の特別加算などはやめることで、地方の自立性を高める考えです。また、交付税の財源不足を補うために地方交付税特別会計から借入が行われていますが、この制度を廃止するとしています。
 そもそも地方交付税には、財政力の低い地方公共団体に国が財政的支援をするというニュアンスが感じられます。国の一般会計から切り離し、総額をしっかりと確保することは大変重要です。