共産党の市議が市営住宅の連帯保証人になっていたことが発覚した事件で、毎日新聞の「記者ノート」(2006/6/24付け)に、以下のような記事が掲載されました。その主張は「市にも責任の一端がある」という内容です。
記者ノート:市の対応は?/茨城
毎日新聞(MSN毎日ニュース2006/6/24)
 (6月)20日に閉会した水戸市議会は、共産党の中庭次男市議が市営住宅の家賃滞納者の保証人になっていたことが発覚し、初日から大混乱になった。与党会派から責任を追及されて共産党の市議4人全員が議会への出席停止の懲罰を受け、最終日には中庭市議に辞職勧告決議まで出された▼会派同士の政争の色合いが濃い中で、複数の市議の間で一致した意見は「市にも責任の一端がある」という点だった。市は6年も前に「市議が選挙区内に住む者の債務を保証することは公職選挙法で禁じられた寄付に該当する」という通知を各課に出していた▼それ以前から滞納者の保証人になっていた中庭市議に対し、市は保証人を代わるように忠告すべきだったが、これまでそういう指示はなかったという。市営住宅の家賃滞納額は5億円近くに上っており、その回収も含めて今後は市の対応が問われる問題だろう。
 毎日新聞の記者ノートは、事件の本質を読者の目から離そうとしているとしか思えません。筆者は「それ以前から滞納者の保証人になっていた中庭市議に対し、市は保証人を代わるように忠告すべきだったが、これまでそういう指示はなかったという」と書いていますが、同市議は「保証人になっても、公職選挙法に抵触しない」と主張しているという点を、全く読者に伝えていません。現に、そうした主旨の反論書を提出しているとのことです。共産党市議は、保証人になることが公選法に抵触する恐れのあることを十分承知の上、保証人になっていたのです。つまり、確信犯なのです。たとえ保証人を代わるように忠告があったとしても、それに従わなかったことでしょう。
 市の行政に望まれることは、現に滞納者が退去し債務額が決定しているわけですから、その金額を滞納者自身が支払い能力がないとなれば、当然、保証人である共産党市議に弁済を求めることです。
 そして、水戸市議会は速やかに100条委員会で、同市議の告発を行うべきです。そうすることにより、裁判所での判例が確定され、この保証人が公選法違反となるかが明確にされることになります。法律のグレーゾーンを埋め、全国的な基準を作る上では非常に有益なことだと思います。