右奥:茨城大学横沢正芳教授、左奥:井手よしひろ県議、手前右:県麦島企画部長、手前左県羽白地域計画課長 8月9日午前、井手よしひろ県議は麦島県企画部長ら企画部幹部職員と共に、茨城大学理学部横沢正芳教授からKDDI茨城センターの跡地利用について提案の概要を聴取し、意見交換を行いました。
 横沢教授からは、「KDDI茨城センターのパラボラアンテナは、電波通信研究の世界的聖地であり、日本の国際衛星通信の発祥の地であるという歴史的経緯をふまえ、電波天文台への転用が実現すれば、光ケーブル結合アンテナ(広帯域電波干渉計・Bload Band Radio Interferometer)として世界最先端の施設として生まれ変わる」と、跡地利用の重要性が強調されました。その上で、中央局舎を「電波望遠鏡がある教育文化施設」として活用する構想が提案されました。横沢教授の構想は、約5000m2ある中央局舎をセミナー室や実験室、簡易宿泊室などに改修して、体験型の宿泊教育施設として活用するというものです。KDDI茨城センターの隣地に立地する国の林木育種センターなどと連携し、宇宙と生命の神秘を探求する拠点施設をつくろうとする計画です。
 この日は、教育文化施設の必要性や設置の目的、各施設の事業主体の問題、費用負担の問題などが忌憚なく意見交換されました。出席した麦島企画部長は「科学離れが著しい若い世代に、こうした夢のある施設を提供する意義は理解します。県が具体的にどのように関われるか、教育庁などとも連携をとり、意見を集約していきたいと思います」と応えました。
KDDI茨城センターの跡地活用について
(茨大横沢教授の提案概要を管理者の責任でまとめたものです)
1.KDDI茨城センターの特徴
(1)電波通信研究の世界的聖地:パラボラアンテナ誕生の地−Takahagi
(2)日本の国際衛星通信発祥の地
(3)世界最先端の電波天文観測装置:光ケーブル結合アンテナ(関東ネット)
(4)東京・成田から容易にアクセスできる
2.KDDI茨城センターの跡地活用=産学官の共同連携事業=
 自治体(茨城県、日立市、高萩市)、茨城大学、国立天文台、KDDIによる四位一体の共同事業
3.事業目的
(1)国際競争、少子化の時代において、日本の科学技術を創造発展させる人材確保
(2)県北臨海部の教育力を高める
(3)体験学習型「科学館」「植物公園」などの教育文化施設により、中学・高校生、市民の学習能力を高める
(4)パラボラアンテナを活用し、学生のモチベーションを高め、創造性ある人材を育成する
4.事業内容
(1)KDDI建物の転用計画:電波望遠鏡がある教育・文化施設(茨城県立の施設)=体験学習型「科学館」「植物公園」=
 *茨城県教育委員会、茨城大学、宇宙電波観測所(国立天文台)、林木育種センター(国立独立法人:農水省)との共同連携事業
 *利用対象:中学・高校生、市民
 *内容:宇宙の研究成果の野外展示施設、自然の植生を題材とした生命科学の野外学習の場、身近な器材を利用した科学実験室、多数の小型望遠鏡などを備えた体験的学習の場等とする。(付帯設備:イベント会場、セミナー室、工作室、実験室、小型・中型望遠鏡、簡易宿泊設備等)
(2)跡地の利用計画(高萩市、日立市)
 *宇宙研究の電波望遠鏡群と優れた景観を活かし、県北地域の新たな名所とする。さくら、梅(お手植えの梅の木がある)、藤棚などの活用。
(3)パラボラアンテナの転用計画
 *国立天文台、茨城大学、KDDIによる共同事業。光ケーブル結合のアンテナにより、世界最先端の天文学研究を進める。