茨城県県北生涯学習センターの根本センター長をはじめとするスタッフ 8月11日、日立市十王町の旧十王町役場内に茨城県で5番目の生涯学習の拠点施設「県北生涯学習センター」がオープンしました。指定管理者に全国でも初めての試みとしてNPOを選定したことに大きな特徴があります。県教委生涯学習課は「民間の柔軟な発想に期待したい」としています。
 指定管理者としてセンターを管理・運営するのは、まちづくりを推進する日立市のNPO法人「インパクト」(梶修明代表理事)。運営経費の節減や地域のボランティアとの協働を盛り込んだ計画が評価され、指定管理者に選定されました。
挨拶する橋本昌県知事 センターで行う事業として、県民大学の各講座や「おやじ力活性化事業」などの指定事業だけでなく、中高生を対象とした就職活動のための講座、県北地域の特色を生かしたそば打ちなどの講座を予定しています。IT講座の運営も、同じ日立市内でコミュニティビジネスを展開するNPO法人「コミュニティNETひたち」が受託するなど、注目すべき取り組みが展開される予定です。
センター運営の抱負を語るNPOインパクトの代表理事梶修明さん 県北生涯学習センター整備にあたっては、旧十王町役場の庁舎を約2億4000万円かけて改修。1〜3階に情報図書館やパソコン室、託児室などを設置しました。近接する日立市の福祉施設「ゆうゆう十王」のJホールや調理室などを無償で貸与するなど、既存の施設を有効に利用した運営を行います。
 11日の開所式には、橋本昌県知事をはじめ、稲葉節生県教育長、国会議員、県議会議会、地元首長など多数の来賓が出席しました。
茨城県県北生涯学習センター 主催者を代表して挨拶に立った橋本県知事は、「本日、県内で5番目の生涯学習センターがオープンしました。茨城県は、その特長を生かして、地域別に5つもの生涯学習センターを整備しました。これは、他県にない大きな特徴です。地域に根ざした講座を展開して、地域の交流の拠点として大いに役立てていただきたい。また、NPOを指定管理者に指定して、今までにない民間の柔軟な発想に基づく運営を期待しています。県北活性化の拠点としてこの施設を充分に活用していただきたい」と語りました。
参考:茨城県県北生涯学習センターのホームページ
県北に生涯学習センター・全国初の民間運営−日立市
常陽新聞(JOYO-NET.COM2006/8/12)
 県県北生涯学習センターの開所式が8月11日、日立市十王町の同センター内で行われた。同市役所十王支所を活用した。県内五カ所目のセンターで、全国最多となった。NPO法人が指定管理者として生涯学習センターを運営するのは全国でも初めて。
 同センターは旧十王町庁舎を改修して整備された。1990年建設の比較的新しい建物で150台収容の駐車場や近くに500人収容のホール(多目的ホール)があることなどから同センターとして生まれ変わることになった。
 式には橋本昌知事をはじめ、国会議員、県議、関係首長、各種団体代表らが出席。テープカットなどを行い、オープンに花を添えた。
 橋本知事は「県民が生きがいに充ちた心豊かな生活を送ることができる社会づくり重要。使いやすい、愛される施設になることを期待している」、指定管理者のNPO法人インパクトの梶修明代表が「まちづくりを目的としたNPO法人。県民に豊かな生涯学習を提供してきたい」とあいさつした。
 来賓として県議会文教治安委員会の加倉井昭喜委員長、大畠章宏、岡部英明衆院議員、樫村千秋日立市長らが祝辞を述べた。関係四市を代表して樫村市長は「長年の念願がかなった。住民の要望を取り入れた整備をしてもらった」と喜びを語った。
 センターは鉄筋コンクリート三階建て。一階は同市十王支所と、情報図書室・相談コーナー、ボランティア室。二階は中講座室二室、小講座室二室、和室二室、託児室、更衣室など。三階は多目的ホールや創作室、パソコン室、中講座室一室、小講座室三室など。
 オープン記念として19、20日に「みんなでおいでよ!センター夏祭り」が開かれる。ヨーヨー釣りやかき氷などの屋台、館内スタンプラリー、茶席、各種ゲームなど盛りだくさん。
 今後の講座には県民大学や元気いばらきっ子エンジョイ・サタデー、おもしろ理科先生派遣事業などが予定されている。
 県内五地区の広域学習圏のうちセンターがなかったのは県北地区だけだった。96年に整備基本構想が策定されたが、厳しい財政状況から着手できないでいた。2004年12月の日立市と十王町の合併後、同庁舎は一階の半分のスペースを支所として活用していた。