「YouTube」(ユーチューブ) アメリカ・シリコンバレー生まれのインターネットの動画共有サイト「YouTube」(ユーチューブ)が話題を呼んでいます。無料登録すれば、誰でも自由に投稿でき、視聴もできる点が特徴です。画像検索で、自分が見たい映像を簡単に探し出せる手軽さも。自分が視聴した記録も残るので非常に便利です。
 世界中の約1億本の動画が閲覧でき、毎日6万5千本以上の動画が追加され、1カ月に2000万人近くが利用という調査結果もあります。
 ネット調査会社によると、日本からの投稿も多く、日本からの視聴者数は6月に約516万人に上り、国内ネット利用者の12.4%が訪れているという調査結果が出ています。
 本来は自主製作の映像作品や家族のビデオなどを「投稿」し、世界中の人に見てもらおうというサービスですが、人気を集めるのは勝手に投稿されたテレビ番組の一部やアイドルのお宝映像など。特に世間で騒ぎになった映像にはアクセスが殺到し、当然著作権の無法地帯と化しています。
参考写真 例えば、8月15日の終戦の日にちなんで「終戦」とキーワードを打ち込んでみると、25本のビデオがヒットします。その内、9本は「NHK−Special ドキュメント 太平洋戦争 No.6」を録画したものでした。(2006/8/14 23:15現在)
 8月12日付の朝日新聞にもこの状況を詳しく報道しています。
著作権どうなる動画サイト「YouTube」 亀田の試合もCMも“見放題”
朝日新聞(2006.08.12 東京夕刊)
 「亀田興毅」で9日夜に検索すると、67本がヒットした。うち28本は2日のTBSが生中継した世界戦の1ラウンドごとの映像。亀田選手がダウンした第1ラウンドは3万4245回視聴されていた。
 スポーツ紙などで大きく報道された、亀田選手の父親と漫画家のやくみつるさんがテレビ朝日系のワイドショー「スーパーモーニング」に出演し、口論した時の映像も見ることができた。投稿から2日間で視聴回数は100万回を超えていた。
 6日までの1週間の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の上位20番組を検索すると、14番組の一部が投稿されていた。また、アニメ「サザエさん」(フジテレビ系)の「第1話」と称する動画(約8分)もあったが、数時間後には削除されていた。フジテレビによると「本物らしい」という。
 こうした投稿映像は、著作権侵害にあたる一方、テレビ局や出演者らにとってイメージダウンにつながる恐れもあるだけに、放送局は神経をとがらせる。
 フジテレビ著作権部の小池由子主任は「不正に次々アップされる画像を一つひとつ調べ、削除を要請している。こんなひどいことはない」と憤る。この1カ月半で削除要請したリストはA4用紙70枚分に上る。人気番組「めちゃ×2イケてるッ!」だけでも約1千本。TBSも細木数子の「ズバリ言うわよ!」などで同様の措置をとった。
 日本音楽著作権協会は投稿された動画の中で、著作権を管理している楽曲が使われているかを調べ、今年6月〜7月末に計1995本を削除させた。そのうち、YouTube社から「登録フォーム」が届き、削除要請が簡略化されたという。こうしたノウハウをNHK、民放連を含む、著作権関係9団体に提供し、違法投稿対策での連携を呼びかけている。

 「YouTube」がGoogleなどの「ウェブ2.0」の成功事例として評価されるためには、(1)どうやって収入(金儲け)につなげていくか? (2)著作権問題にどう対処するのか? という2つの大きな課題が存在しているようです。
 「YouTube」に関する記述は、「ウェブ進化論」の著者・梅田望夫さんのブログ(My Life Between Silicon Valley and Japan)に詳しく述べられているので、以下、リンクを張らせていただきます。
YouTubeについて(1)
YouTubeについて(2)
YouTubeについて(3)