参考写真 茨城県は、8月下旬から自動車税などの滞納対策としてタイヤロック装置計25台を導入し、納付催告に応じない悪質滞納者の自動車差し押さえを始めることになりました。
 導入されたのは、タイヤのホイールを両側から挟んで固定する鋼鉄フレーム型。装着されると、車は走行出来なくなります。一台当たりの価格は約1万9千円で、県内計8カ所の県税事務所に配備されます。
 自動車の差し押さえは、車の運搬・保管などの手間や経費が大きく、実際にほとんど行われていませんでした。しかし、タイヤロックの新手法は、滞納者の自宅や駐車場で執行できるため、差し押さえが非常に簡単にできるようになります。このようなタイヤロックは、全国25都道府県で既に導入されています。
 自動車税の滞納件数は、2006年3月末現在で、7万3212件あり、県税全体の滞納件数の約8割を占めています。滞納額も約25億円に膨れ上がっています。
 なお、タイヤロックを装着した自動車を移動・隠蔽・損壊等した場合は、地方税法第168条(滞納処分に関する罪)、刑法第96条(封印破棄の罪)、252条(横領の罪)等により処罰されることがありますので注意が必要です。
「自動車差押(タイヤロック方式)を実施します」茨城県のHPより
県税滞納者にタイヤロック 効果絶大5人が完納
茨城新聞(社会面2006/09/12)
 県は十一日、県税の悪質な滞納者計十二人に対して八月中にタイヤロック装置を使った第一弾の自動車の差し押さえに乗り出した、と発表した。その結果、同日までに十二人のうち五人は滞納額すべてを完納。残る七人も滞納額の一部納付に応じ、残額についても後日納付する誓約書を提出した。計十二人から同日までに回収した滞納税は合わせて約百四十万円に上った。県は「タイヤロックの効果は絶大」としている。
 タイヤロックは、タイヤのホイールを鋼鉄フレームで両側から挟んで固定する装置。装着すると、車は走行不能になる。県は、悪質な県税滞納者に対しては税金代わりに車を差し押さえる方針を決め、計二十五台のタイヤロック装置を先月導入した。
 差し押さえの対象になったのは水戸市やつくば市、土浦市など六市町の個人十四人と中古車等販売店一社。いずれも滞納を数年間にわたって続け、再三の催告にも応じなかった長期滞納者で、滞納額は合わせて約三百十八万円に上る。
 差し押さえは八月二十二日、一斉に着手した。対象の計十五の個人・法人のうち三人は本人不在で対象車両が特定できなかったため、実際の差し押さえ手続きに着手したのは計十二人。
 県税務課によると、十二人のうち六人は、職員が現場で車の差し押さえ着手を事前告知しただけで納付に応じた(完納三人、一部納付三人)。残る六人の車には実際にタイヤロックを装着したが、うち二人はその後完納し、ほかの四人も滞納額の一部納付に応じたため、いずれも間もなく解除した。当日不在の三人のうちの一人も一部納付に応じた。一部納付の滞納者からは残額を後日完納する誓約書を提出させた。これにより、滞納税のうち約二百六十五万円が回収される見込みという。
 県は今後も随時、タイヤロックによる車の差し押さえを実施していく方針。十一月には「強化月間」として県内一斉の集中的な差し押さえを予定している。