9月29日付の東京新聞「地域のページ」には、「ウォッチ県議会・県議4年間の通信簿」との特集を組み、茨城県議会議員の4年間(2003年1月から2006年6月定例会)までの本会議・委員会の出席率、質問回数などをとりまとめて、公表しました。
 それによると、本会議・常任委員会とも欠席がなかった議員は、わずか18人(定数65人)しかいませんでした。本会議の欠席が一番多かったのは、体調を壊し今期限りで引退を表明している自民党の青木来三郎議員(古河選挙区)で、74.4%でした。常任委員会では松浦英一議員(土浦選挙区)が、66.6%と、3回に1回は欠席したことになります。
 本会議での質問は最高で4回。一回も行わなかった議員が、自民党を中心に14人いました。委員会では最高が40回。一回も行わなかった議員が3人いました。(委員長や補選当選者も含む)
 井手よしひろ県議は、4年間本会議・委員会の欠席は0(皆勤)。一般質問は3回で、4回の議員が4人いますので第5位。なお、9月議会に一般質問を行いましたので総計では4回になり、トップに並びました。委員会質問は31回で4位でした。
日立選挙区選出議員の通信簿を転載します。
名前会派当選
回数
出席率一般質問代表質問賛否討論委員会
発言
議員提案請願紹介
本会議委員会
井手義弘公明310010030031178
長谷川修平民主清新410095.4030162223
今 一男民主清新210096.811023147
福地源一郎自民11001003001682
菊池敏行自民21001003001162

委員会発言数に大きな差・根回しの影響?ベテランは“沈黙”
東京新聞(2006/9/29茨城県版)
 九月定例県議会が二十七日に閉会し、いよいよ十二月一日告示の県議選に向けた動きが本格化する。現職六十三議員のほとんどが、再選を目指して立候補する見通しだ。有権者にとって気になるのは、任期中の議会活動がどうだったか。本会議と委員会の議事録をもとに、現職県議の四年間を数字で総点検した。 (生島章弘)
■出席率
 本会議は四十一人が100%出席。このほかの議員は、一時体調を崩すなどして、今期限りで引退する青木來三郎氏(74・4%)を除き90%台だった。だが、委員会については、70%台二人、80%台七人と、全体的に出席率が悪くなる。最も低い66・6%の松浦英一氏は三分の一を欠席した計算だ。本会議、委員会とも皆勤の議員は全体の三割以下の十八人にとどまった。
■本会議
 代表質問は四人以上の会派(自民、自民県政、民主清新)が、年二回行うことができる。
 一般質問は、質問者数を年間三十人と決めている。「言論の府なのに、規制は問題」(共産県議)などの批判はあるが、所属議員数に応じて各会派に割り振っているため、ほとんどの議員が二、三回で、大きなばらつきはない。自民は中堅が代表質問に立ち、ベテランは登壇しないなどの慣例があり、その分が若手に上積みされている。
 一方、議案への賛否を表明する討論は計十九回だけ。このうち、十八回は共産の二議員によるものだ。本来、態度未定の議員に同調を呼び掛ける機会でもあったが、採決前に、会派ごとに賛否を決めているため、形骸(けいがい)化している。
■委員会
 発言回数に制限がないため、議員個人の活動ぶりを知る上で一番参考になる数字かもしれない。本会議での発言機会が限られる少数会派の議員が目立つ。トップは共産の大内久美子氏の四十回。次いで、三十回台は六人で、公明二人、自民、民主清新、共産、無所属が各一人。これに対し、ベテランになるほど少なくなる傾向があり、最多十三回当選の山口武平・自民県連会長はゼロだった。
 この四年間、委員会は四十回前後開かれているが、発言が十回以下の議員も二十人いる。「議案を可決してもらうため、(議会側には)あらかじめ話をしている」(県関係者)ことなど、事前調整も審議を低調にしている要因の一つだ。
■議員提案・請願
 有力議員が多いのは、党県連会長や幹事長ら幹部が連名で出すケースが多いためだ。議会の活性度の目安になる議員提案数は八十五本に上るが、実態は意見書が大半を占める。政策に関する「議員立法」は昨春に成立した一本だけ。二〇〇四年に、政策立案能力を高めることなどを盛り込んだ県議会改革の基本方針をまとめているが、数字上は成果が表れていない。