携帯電話の番号ポータビリティ制度がスタートして最初の土日となった28日、29日の両日、ソフトバンクの加入契約業務が混乱しています。ソフトバンクへの登録申請が顧客情報を管理するシステムの処理能力を超えたため、コンピュータシステムが両日とも午後にはダウンしました。他社からソフトバンクへの変更だけではなく、ソフトバンクから他社への変更もできなくなり、ドコモとauは29日、システムの早期回復と再発防止を連名で、ソフトバンクに申し入れました。
 ソフトバンクは、番号ポータビリティ制度開始前日の23日、自社の加入者間の通話料金などを無料にする、新たな定額料金制度の導入を突然発表しました。事前に情報が漏れるのを防ぐため、孫正義社長も「社内でもほんの数人の幹部しか知らなかった。販売店や営業マンにも発表当日まで知らせなかった」としています。その後も、定額で使えるメールの範囲を拡大したり、機種変更でも頭金なしで携帯電話が買えるようにしたりと、新サービスの発表を繰り返しています。
 意外性で利用者の関心を引くことを優先させた結果、販売店への周知や教育にかける時間は極めて短くなりました。それに輪を掛けて「予想外」に殺到した顧客にシステムがついていかなかったようです。
参考写真 29日午後、日立市内のソフトバンク、ドコモ、auの各ショップをのぞいてみましたが、さすがにソフトバンクのショップは混雑していました。従業員の数もお客の数に対しては少なめで、説明も不明な点が多いようでした。できるだけ早く、この混乱が収拾できることを望みたいものです。