参考写真 地球温暖化の影響か、例年にない暖冬となっています。その影響で、地元の名産「干しイモ」(乾燥イモともいいます)が、大きな打撃を受けています。
 井手よしひろ県議は、2月25日、ひたちなか市と東海村で干しイモ製造農家から、今年の状況をヒアリングしました。ここ2、3日は、冬らしい乾燥した冷たい北風が吹いているので、天日乾燥で大わらわだそうです。新聞報道のように、乾燥機の導入も検討したそうですが、ある程度大規模に生産している農家ならともかく、数千万の出費はとても出来ない相談だと語っていました。
 今後も暖冬が続くとなると、干しイモは高級食品となってしまうかもしれません。
北風恋し干しイモ
朝日新聞(マイタウン茨城:2007/2/19)
 全国一の生産量を誇る干しイモの生産が、暖冬の影響を受けている。生産には晴天と乾燥が不可欠だが、今シーズンは乾燥した北風が吹く日が少なく、乾かずに腐ったイモを処分する農家も出ているという。
 ひたちなか市や東海村の農家などでつくる対策協議会によると、サツマイモを薄く切った「平干し」は通常3日〜1週間でできる。この冬は生産が始まる11月下旬から12月初旬に暖かい日が続いた影響で、生産が約半月遅れ、それ以降の出荷にも影響が出ている。
 水戸市の京成百貨店はすでに発送を終えたが、乾燥期間が延び、契約農家からの出荷が遅れた。注文客からは「いつ届くのか」との問い合わせが1日10〜20件寄せられたという。
 同協議会によると、乾燥機を導入する農家が年々増えている。イモを乾かす乾燥機は機材だけで1千万円以上、乾燥室など設備も含めると2千万円かかるが、「今後も暖冬の傾向が続くのなら、これまでの生産方法を見直す必要があるのではないか、という話が農家の間で出ている」と同協議会。
 干しイモ生産農家のひたちなか市佐和の植田景一さん(30)は、乾いた北風で身がしまった干しイモは甘くなるという。「乾燥機なら天気に影響を受けず、確かに生産性は上がる。でも天日干しだからこそのおいしさがある」
 干しイモ生産の「天日干し」は、県内の冬の風物詩の一つ。来シーズン以降の天候の行方が気がかりだ。