参考写真 群馬県太田市の清水まさよし市長が、2月26日の市議会総括質疑で、第3子以降の妊娠、出産から中学卒業までの基本的な子育て費用を全額負担する方針を公表しました。
 太田市の試算では負担増額は年間約5億円で、行政改革に伴い削減される人件費の一部を財源に充てる計画です。
 早ければ9月市議会に一部対策の補正予算案を提出し、2008年度から全面実施する予定です。
 清水市長は、自らのブログで、若年層が3人目以降の出産、子育てをためらう理由の1つとして経済的負担の大きさがあるとし、経済支援の強化により少子化に歯止めをかける重要性を述べています。更に、「付け焼刃的に小出しにしてもお母さん方にインパクトがない」として、女性が妊娠した場合の健診や出産の費用、出産後の保育費をはじめ小中学校の入学費用、給食費、医療費や中学の修学旅行費などを全額負担するといった思い切った施策を提案したいと述べています。
第3子からは父母負担ゼロ
太田市長とれたて日記(2006/2/27)
新エンゼルプランの成果はどうか、どの段階まできているのか検証は聞いていない。
このまま放置されてしまえば、表現は悪いがプランは『野たれ死に』状態になってしまう。そんなことも頭に残っていた。
「どうすればいいのか」真剣に考えていた。機会があるたびにお母さん方とも会話をもった。子どもが欲しいという既婚者もいたが、それはそれで大切である。と同時に、赤ちゃんが好きな家族に「もう一人どうですか」ということの方が少子化対策には有効であるという感触があった。
結婚式で「子どもを産んでくれ」というあいさつが政治家の定番になっている。そんなことで出生率が上がるなら簡単な話だ。「何が問題か」ということを突き詰めていくと「経済的な問題」がテーマになる。
豊かな社会になって、家族も子どもも豊かさを共有するということにならなければ「子どもを産む」という行動につながらない。政治がバックアップしてやる姿勢が大切になる。プランは必要だ。それが少子化対策にどう連動しているかの検証を繰り返さなければならない。
付け焼刃的に小出しにしてもお母さん方にインパクトがない。
本会議でしゃべってしまった「第3子からは父母負担ゼロ」は目標をはっきりさせることでは評価してもらえると思う。だれにでも分かりやすいのではないか。
役所だけがシナリオを書いて、それをご両親に容易に理解してもらえるプランでなければいけない。役所はお手伝いはできるが、子どもを産んで育てるのはご両親だから、だ。
条件をつけたりして複雑化させてはまずい。

 清水市長とは、地域情報化の問題で数年前に直接面談したことがあります。独特の経営感覚をもったユニークな首長という印象でした。行財政改革の目標を子育て支援という、未来への投資に結びつけるという発想には、大賛成です。この英断が効を制し、全国に成功事例として発信されることを心から期待します。
(写真は清水まさよし太田市長。2001年9月、井手よしひろ県議との面談の際撮す)